【鍼灸院】チラシ作成時のポイント5選|集客効果を高めるコツも紹介

近年ではインターネットやSNSの普及に伴い、さまざまな業界でデジタル広告が活用されていますが、紙のチラシもまだまだ健在です。
高齢層をメインターゲットとする鍼灸院などの場合は、紙のチラシを使うことで集客効果が高まると期待できます。
当記事では、鍼灸院のチラシ作成時に押さえておきたいポイントや集客効果を高めるコツなどについて解説します。
目次
1. 鍼灸院での「チラシ集客」はどんなお客様に有効?

チラシを使った広告は、特に高齢層へのアピール効果が高いと期待できます。高齢層は他の世代よりもスマホやパソコンの操作を苦手とする方が多く、インターネット利用率が低いためです。
総務省の発表によると、2022年の年代別インターネット利用率は60代が86.8%、70代が65.5%、80代以上が33.2%でした。この結果から、年代が上がるほどインターネット利用率が下がっていることがわかります。
出典:総務省「令和5年度情報通信白書 インターネット」新聞に関する調査では、「月極で新聞をとっている」「今後も紙の新聞を購読する」と回答した人の世代別割合は70代以上がもっとも高く、次いで60代が高くなりました。
出典:公益財団法人新聞通信調査会「第17回メディアに関する全国世論調査(2024年)」これらの結果からも、紙媒体のチラシが高齢層向け集客に役立つと予想できます。
2. 鍼灸院のチラシを作成する際のポイント5選

チラシ配布によって集客効果を得るためには、読み手に「ここに行きたい」と思ってもらいやすいチラシ作りが欠かせません。次に、鍼灸院が効率よく集客するうえで欠かせないチラシ作りのポイントについて解説します。
2-1. コンセプトや施術の強みを明確にする
他の鍼灸院や整体、リラクゼーションサロンなどとの差別化を図るために、まず自院のコンセプトや強みを前面に押し出します。鍼灸院の強みとしてアピールしやすいポイントの例は、次の通りです。
来院しやすいこと・継続して利用しやすいこと |
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お客様の状況に合わせたサービス・設備の説明 |
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イベント・セミナー情報 |
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広告規制に抵触しないよう注意しつつ自院ならではの強みをアピールすることで、集客効果アップに役立ちます。
2-2. ターゲット層を明確にする
訴求効果の高いチラシを作るためには、ターゲット層をなるべくピンポイントに絞ることが大切です。ターゲット層の範囲を広げすぎると、当たり障りがなく読み手の共感を得にくいチラシになりかねません。
高齢者向けのチラシを作る場合は、視力が低下した方も読みやすいようなるべく文字を大きくしてコントラストをはっきりさせます。認知機能の低下によって文章を読みづらくなった方も多いため、長文よりも簡潔でわかりやすい表現を心掛けるとよいでしょう。
2-3. 法律や広告ガイドラインに注意する
「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師などに関する法律」、通称「あはき法」では、鍼灸を医業ではなく医業類似行為と見なしています。鍼灸院のチラシや看板広告に掲載できる事柄は、次の項目のみです。
● 鍼灸院の名称、電話番号、所在地
● 業務の種類(鍼灸、小児鍼など)
● 施術を行う鍼灸師の氏名・住所(公式ホームページURLなども含む)
● 施術日、および施術時間
● その他、厚生労働大臣が指定する事項(予約方法、出張施術、駐車場の有無、医療保険療養費支給申請についての事項など)
出典:厚生労働省「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」
出典:名古屋市「施術所(あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師 ・柔道整復師)手引き」
もし鍼灸院のチラシに次のような内容を記載した場合、あはき法や医師法などに違反したとして罰金刑や免許取り消し処分などを受ける恐れがあります。
施術する鍼灸師の経歴、実績 |
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具体的な施術内容、疾患・症状の名称 |
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医療行為と誤認されやすい表現 |
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虚偽・誇大広告 |
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他院よりも優れていることを示す表現 |
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公序良俗に反する内容 |
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自分でチラシを作る場合は、チラシの内容が法律に違反していないかどうかをチェックすることが不可欠です。より確実にチェックしたい場合は、法律に詳しい専門家や公的機関などに相談すると安心です。
2-4. 統一感のあるデザインを心がける
チラシの限られたスペースに情報を詰め込みすぎると、読みづらくごちゃごちゃした印象になりかねません。
デザインに統一感を持たせるためのポイントは、色の数をなるべく抑えてテーマ性を持たせることです。「日だまりのように明るくやわらかな暖色系」「自然を思わせる緑と茶色で、リラックスした気分になってほしい」などのように、自院のカラーに合うデザインを選びましょう。また、文字の配置やフォントを揃えることですっきりした印象に仕上がります。
高齢者向けチラシでは、読みやすさへの配慮も不可欠です。なるべくシンプルな形のフォントを選んで文字サイズを大きめにし、背景とのコントラストを工夫して文字を目立たせましょう。イメージを伝えやすくするため、画像やイラストを活用することもポイントです。
2-5. 鍼灸院の雰囲気が分かる写真を掲載する
院内の雰囲気が分かる写真を載せることではじめてのお客様も院の雰囲気を把握しやすくなり、安心して来院してもらいやすくなります。初めて来院してもらう際の目印として、自院の外観写真を載せることもよい方法です。
ただし、施術中の様子がはっきりわかる写真やお客さんの個人情報がわかる写真などをチラシに載せることは禁じられています。文字と同じく、写真も法律や広告ガイドラインに反する内容にならないよう注意しましょう。
2-6. 定期的な効果測定と改善を行う
優れた内容のチラシであっても、長期間内容をブラッシュアップしないと次第に集客効果が薄れてくるケースがほとんどです。定期的に効果を測定しつつ内容を改善していくことで、集客効果をキープしやすくなります。
チラシの集客効果測定には、来院のきっかけやチラシについての感想などを問うお客様アンケートなどが有効です。アンケート結果に基づいてチラシやサービスのよい点と改善点を洗い出し、新しいチラシへ反映させます。さらに季節やトレンドの変化に合わせて内容を修正することで、新鮮な情報を伝えやすくなります。
3. 鍼灸院のチラシによる集客効果を高めるコツ

鍼灸院のチラシによる集客効果を高めるコツは、次の通りです。
●配布時間・配布エリアを絞る
効率よくチラシ集客を進めるためには、まず高齢層が多い時間帯やエリアに絞って配布することが大切です。基本的に夜間よりも日中に外出する高齢者が多く、外出目的の大半は買い物や通院などと言われています。
街頭でチラシを配布する場合は、地域密着型の医療機関やスーパーマーケットなどの近くで配布すると高い集客効果を得られるでしょう。街頭や駅などの施設内でチラシを配布する際は警察署または施設の許可が必要なため、事前に申請しておきましょう。
各家庭へポスティングする場合も、日中に行うことをおすすめします。早朝や夜間にポスティングすると、近隣の住民に警戒されかねないためです。トラブル予防のため、「チラシお断り」などの掲示がある家や集合住宅へのポスティングも避けましょう。
●SNSや公式ホームページへ誘導する
QRコードなどを載せて自院の公式ホームページやSNSアカウントへ誘導することも、チラシ集客の重要なポイントです。ホームページなどへ誘導することで、チラシに載せきれない情報を伝えやすくなります。
近年はインターネットを使える高齢者が増えており、またホームページを見た家族などが高齢者本人に来院を勧めてくれる可能性もあります。加えて、QRコードを使うことでアクセス数やエリアもある程度把握できます。
4. 鍼灸院におけるチラシの作成・配布方法
鍼灸院におけるチラシの作成・配布方法は、次の3つに大きく分かれます。
●自身でチラシの作成から配布まで行う
デザインソフトなどを使ってチラシを作成し、ポスティングで配布します。また近隣の公共施設や商業施設の掲示板にチラシを貼ったり、店頭のチラシスタンドに入れたチラシを自由に取ってもらったりする方法もあります。デザインのセンスにある程度の自信があり、かつコストを抑えたい場合におすすめです。
●業者にチラシの作成を依頼し、自身で配布する
デザイン制作会社などへ依頼して作ってもらったチラシを、自分で配布する方法もあります。自作する場合よりもコストはかかるものの、チラシのクオリティを高めたい場合はプロへの外注がおすすめです。反対に、自作したチラシをポスティング業者に配布してもらう方法もあります。
●業者にチラシの作成と配布を依頼する
より効率よくチラシ集客を進めたい場合は、チラシの作成から配布までをワンストップで依頼するのもおすすめです。配布したいエリアやターゲット層に合わせて最適な枚数を発注できる業者や、ポスティングと新聞折り込みの両方に対応している業者もいます。
まとめ
鍼灸院のメインターゲットとなる高齢層はインターネットやスマホ操作に不慣れな方が多いため、紙のチラシを活用することで集客効果を高めやすくなります。ただし鍼灸院の広告には複雑な法規制があるため、チラシに載せる情報を注意深く選ぶことが大切です。
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