【柔整・整骨院】開業時に活用できる3つの融資制度とおすすめ相談先

【柔整・整骨院】開業時に活用できる3つの融資制度とおすすめ相談先

柔道整復師(柔整)として整骨院を開業するには、物件取得費や内装工事費、医療機器の導入費用など、まとまった初期資金が必要になります。さらに、開業直後は売上が安定しにくいため、家賃や人件費をまかなう運転資金も含めた資金計画が欠かせません。

自己資金だけで整骨院を開業するのが難しい場合は、融資制度の積極的な活用がおすすめです。しかし、融資には複数の種類があり、それぞれ対象や条件、相談先が異なります。制度の違いを理解せずに進めると、審査が通らなかったり、想定より不利な条件で契約したりしてしまう可能性もあります。

そこで今回は、柔整・整骨院の開業時に活用できる主な融資制度3選と、あわせて検討したいおすすめの相談先について、分かりやすく解説します。

1. 【柔整・整骨院】開業資金の目安はどれくらい?

柔整・整骨院の開業に必要となる資金は、一般的に600万~1,700万円程度が目安とされています。ただし、この金額は一律ではなく、施術所の規模や運営スタイルによって大きく変わります。

例えば、必要最低限の設備でスタートする小規模開業であれば500万~800万円程度、ある程度設備を整える一般規模の開業では800万~1,200万円程度が目安です。一方、施術機器や内装、院内環境にこだわる大規模開業の場合は、1,200万円以上を見込んでおくと安心でしょう。

なお、これらの金額は初期費用と運転資金を合算した目安であり、開業時に一括で全額が必要になるわけではありません。実際には、開業準備段階で必要となる初期費用と、開業後の経営を支える運転資金に分けて考えることが重要です。

ここからは、初期費用と運転資金それぞれの内訳について詳しく紹介します。

1-1. 初期費用

初期費用とは、 整骨院を開業するために開業前後で発生する費用 を指します。主な内訳と相場は、下記の通りです。

費用項目 費用相場
物件取得費用 約100万~150万円
改装工事費用 約200万~500万円
施術機器・備品代 約100万~300万円
広告宣伝費 約50万~100万円

物件の条件や内装の規模、導入する施術機器の内容によって金額は大きく変動するため、事前に優先順位を整理したうえで計画を立てることが大切です。

1-2. 運転資金

運転資金は、 開業後に発生する家賃や人件費、消耗品費などをまかなうための資金 です。主な内訳と相場は、下記の通りです。

費用項目 費用相場
地代家賃 約12万~15万円/月
水道光熱費 約10万~12万円/月
人件費 1人あたり約30万円~/月
仕入代金 約5万~10万円/月
広告宣伝費 約5万~10万円/月
その他費用(消耗品費など) 約5万~10万円/月

開業直後は売上が安定しにくいため、少なくとも1~3か月分程度の運転資金を確保しておくのが一般的とされています。なお、上記の費用はあくまでも目安であり、実際にかかる額は整骨院の規模によっても大きく異なることを覚えておきましょう。

2. 【2026年】柔整・整骨院開業時に活用できる主な融資制度3選

柔整・整骨院の開業には、物件取得費や内装工事費、施術機器の導入費用など、まとまった資金が必要になります。こうした費用をすべて自己資金だけで賄えるケースは少なく、実際には多くの開業者が、国や自治体、金融機関が提供する融資制度を上手に活用しています。

融資制度と一口に言っても、対象条件や金利、審査の考え方は制度ごとに異なります。開業初期の資金調達では、「創業者向けに設計されているかどうか」が重要な判断ポイントになります。

ここからは、柔整・整骨院の開業時に活用しやすい代表的な融資制度を3つ紹介します。

2-1. 日本政策金融公庫|新規開業・スタートアップ支援資金

新規開業・スタートアップ支援資金とは、 日本政策金融公庫が提供する創業者・開業初期事業者向けの融資制度 です。個人事業主の開業資金として、最も利用される代表的な制度と言えます。

窓口 日本政策金融公庫
融資対象者 新たに事業を始める人、または事業開始後おおむね7年以内の人
融資限度額 最大7,200万円(うち運転資金4,800万円)

創業実績がなくても申込可能な点や、新たに事業を始める場合、または事業開始後の2期の税務申告を終えていない場合は、原則として無担保・無保証人で利用できる点が大きな特徴です。

一方で、事業計画書の内容は重視されるため、資金使途や返済計画を具体的に整理しておく必要があります。

2-2. 各自治体|制度融資(信用保証協会付き融資)

制度融資とは、 自治体・金融機関・信用保証協会が連携して提供する融資制度 です。信用保証協会が保証人になる仕組みを前提とすることから、「信用保証協会付き融資」とも呼ばれます。

ここでは例として、東京都における「都創業融資」を取り上げます。

窓口 自治体・金融機関
融資対象者 1か月以内(個人の場合)または2か月以内(会社設立の場合)に
東京都内で創業しようとしている人、または創業から5年未満の中小企業者・組合
融資限度額 3,500万円

信用保証協会付き融資には、金融機関単独のものと、自治体が関与する制度融資の2種類があります。整骨院の開業資金を目的とする場合は、 創業者向けに設計された自治体の制度融資を活用するほうが金利や保証料の面で有利になりやすく、利用しやすいケースが多い でしょう。

2-3. 金融機関|事業融資(プロパー融資)

事業融資(プロパー融資)とは、 信用保証協会を介さず、金融機関が独自の判断で行う融資 を指します。

窓口 金融機関
融資対象者 実績のある事業者が中心
融資限度額 事業規模・信用力により異なる

融資額は個々によって異なるほか、比較的低金利で借りられる可能性がある一方で、事業開始直後で実績の少ない個人事業主の場合、審査のハードルが高まります。

すでに他地域で整骨院を経営しており、2店舗目・3店舗目として開業するケースでは有力な選択肢となりますが、 初めての整骨院開業ではほかの融資制度を検討するのが一般的 です。

3. 柔整・整骨院開業時の融資はどこに相談すべき?主な相談先5選

柔整・整骨院を開業するにあたり、「どの融資制度を使えるのか」だけでなく、「どこに相談すれば良いのか分からない」と悩む方も少なくありません。融資制度ごとに窓口や役割が異なるため、相談先を正しく選ぶことが、資金調達をスムーズに進める第一歩となります。

最後に、柔整・整骨院開業時の融資制度を活用したいときの主な相談先を5つ紹介します。

3-1. 日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は、事業実績のない創業者でも相談しやすい「新規開業・スタートアップ支援資金」など、創業者や小規模事業者向けの公的融資を数多く取り扱っています。国が100%出資する政府系金融機関で、全国に支店があります。

借入可能額の目安や必要書類、創業計画書の考え方まで一通り相談できるため、 柔整・整骨院を初めて開業する方にとって、最初に検討したい相談先 と言えるでしょう。

3-2. 民間金融機関

銀行や信用金庫、地方銀行などの民間金融機関も、融資の重要な相談先です。事業融資や信用保証協会付き融資の窓口となるケースが多く、制度融資を利用する際にも金融機関を通じて申込みを行います。

開業前後でも相談自体は可能ですが、自己資金や事業計画の内容によって審査結果が左右されやすい点には注意が必要です。 将来的な取引を見据えた相談や、2店舗目以降の開業を検討している人に向いています。

3-3. 地方自治体

都道府県や市区町村などの地方自治体も、創業融資の相談先の1つです。多くの自治体では、中小企業向けの融資制度に加え、創業者向けの制度融資を用意しています。

自治体が金融機関や信用保証協会と連携して提供する制度融資は、金利や保証料の負担が軽減される場合があり、柔整・整骨院の開業時にも活用しやすいのが特徴です。

ただし、 制度内容は自治体ごとに異なるため、事前に確認しておくことが重要 です。

3-4. 商工会議所・商工会

商工会議所や商工会は、地域の中小事業者を支援する公的性格の強い団体です。融資そのものを実行する機関ではありませんが、融資制度の紹介や創業計画書の作成支援、金融機関や自治体制度融資への橋渡し役を担っています。

また、日本政策金融公庫の「マル経融資(小規模事業者経営改善資金)」のように、商工会議所等での経営指導が前提となる融資制度もあります。 融資準備を基礎から整えたい人に向いている相談先 です。

3-5. 柔整・整骨院の業界支援団体

柔整向けに開業支援や経営サポートを行っている業界支援団体も、有力な相談先です。団体自体が独自に融資を行うわけではありませんが、日本政策金融公庫や制度融資など既存の融資制度を前提に、融資相談や申請準備のサポートを受けられます。

さらに、開業手続きや療養費請求など、開業後の運営まで一貫して相談できる点が特徴です。 資金面だけでなく、整骨院の経営全体に不安を感じている人に向いた相談先 と言えるでしょう。

まとめ

柔整・整骨院の開業では、自己資金だけでなく融資制度を上手に活用することが現実的な選択となります。日本政策金融公庫や自治体の制度融資、民間金融機関の事業融資など、創業者向けの選択肢は複数ありますが、制度ごとに窓口や条件が異なるため、相談先選びが重要です。

開業資金や融資に不安がある場合は、業界に特化した支援団体を活用するのも有効です。全国統合医療協会では、柔整・整骨院の開業事情を踏まえた融資相談や申請準備のサポートを受けられます。資金面だけでなく、開業後の運営まで見据えて相談したい人は、ぜひ全国統合医療協会へお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者

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中村 崇男

昭和44年東京生まれ。昭和63年都内整骨院を勤務し、東京柔道整復専門学校を卒業後、平成23年一般社団法人全国統合医療協会を設立。鍼灸師・柔道整復師の社会的地位と健康医療福祉の更なる向上を目標に幅広い分野で活動中。
一般社団法人全国統合医療協会理事長
公益財団法人明徳会清水ヶ丘病院理事長