【最新版】整骨院向けガイド|健康保険証廃止とマイナ保険証への移行で必要な実務対応

【最新版】整骨院向けガイド|健康保険証廃止とマイナ保険証への移行で必要な実務対応

2025年12月2日から、従来の健康保険証は全国一律で廃止されます。
そのため、整骨院や鍼灸院などでは、資格確認にマイナ保険証(マイナンバーカード)または資格確認書を使用することになります。

しかし、医療機関に対しては経過措置(2026年3月末まで旧保険証使用可)が通知されている一方で、整骨院・施術所向けには通知が発出されません。

よって、施術所は自院で情報を収集し、対応を整えておく必要があります。
本記事では制度の概要と、整骨院が押さえておくべき実務対応を整理します。

1.2025年12月で健康保険証が廃止|整骨院での資格確認はどう変わる?

まず、最も大きなポイントとして、従来の健康保険証は2025年12月1日をもって有効期限が切れます。
カード面に有効期限の記載がなくても、使用は不可となります。

そして、2025年12月2日以降は以下で資格確認を行います。

・マイナ保険証(マイナンバーカード)
・資格確認書(カード型・電子データ)

つまり、患者は保険証を提示しても受付できません。
そのため、患者トラブルを防ぐためにも、早めに院内掲示やSNSで情報発信しておくことが重要です。

参考:デジタル庁  マイナ保険証について

2.医療機関には経過措置があるが、整骨院には通知されない

厚生労働省は、医科向けに以下の経過措置を通知しています。

2026年3月末まで旧保険証での受診を認める

しかし、これは医療機関向けの通知であり、あはき柔整施術所には通知が発出されません。

そのため、制度移行に際して、整骨院側が個別に説明を受けたり、明確な事務連絡を受け取ったりすることはありません。

結果として、院は独自に運用に備える必要があるということです。

3.整骨院向けの情報は「施術所等向け総合ポータルサイト」に掲載予定

通知に代わり、施術所等向け総合ポータルサイトに下記取扱いが掲載される予定です。
(11月中予定→遅延中。12/2までに掲載されるか微妙)

掲載予定内容

・2025年12月2日以降、保険証は廃止される
・マイナ保険証 or 資格確認書で資格確認を行う
・端末・ネットトラブル時の代替方法
→患者のマイナポータルにログインしてもらい資格確認

・「無効表示」されるケースがある
→保険者変更のタイムラグ
→DV等で開示制限

・資格確認書はカード型と電子データがある
・オンライン資格確認未導入院における取扱い
・マイナンバーカードには有効期限がある
・セミナー動画リンクの掲載

4.オンライン資格確認未導入の整骨院はどうなる?

特に気になるポイントはこれです。
オンライン資格確認が未導入の施術所は存在しているため、その取扱いが整理されます。

ただし現時点では、詳細は明らかになっていません。

そのため、未導入院は以下を検討しておくべきです:

・導入時期を決める
・トラブル時の代替手段を整理
・患者説明文を準備
・導入コストと補助制度の確認

参考:厚生局 オンライン資格確認の概要

5.マイナ保険証に登録する方法|患者向け説明に使える

患者がマイナ保険証を使うには、利用登録が必要です。

ここでは、患者に案内しやすい形で整理します。

(1)スマホ・PCで登録

必要なもの:

・マイナンバーカード
・対応スマホ or ICカードリーダー
・パスワード(4桁)

手順:

1.マイナポータルにログイン
2.「健康保険証」を選択
3.カード読み取り
4.パスワード入力
5.登録完了

(2)医療機関・薬局で登録

必要なもの:

・マイナンバーカード

流れ:

1.カードリーダーにカードを置く
2.「登録」を選択
3.顔認証 or パスワード入力
4.即時登録

(3)セブン銀行ATMで登録

必要なもの:

・マイナンバーカード
・パスワード(4桁)

流れ:

1.「マイナンバーカードでの手続き」を選択
2.カードをセット
3.パスワード入力
4.登録完了

参考:セブン銀行ATM

6.整骨院が準備しておくべき実務ポイント

この制度移行は患者対応を含めて結構なインパクトがあります。

院として準備しておきたいことは以下です。

① 院内掲示・問診票の変更

・保険証は不可
・マイナ保険証を利用
・資格確認書も可

② 患者説明用POPやSNS投稿

突然の混乱を防ぐために必須。

③ 端末トラブル時の代替策

・マイナポータルの確認手順を院内で共有
・スタッフ教育

④ 未導入院は導入検討

導入しない場合も説明が必要。

⑤ トラブル抑止策の設計

「無効表示=未加入」とは限らない。

7.制度移行は「情報格差」が大きい

制度変更は誰も詳しく説明してくれません。

さらに、整骨院向け通知は発出されないため、結果として、

・情報収集した院
・しなかった院

で、運営面に差が生まれます。

特に初期の混乱期には、

・窓口トラブル
・クレーム
・会計の遅延
が発生する可能性があります。

したがって、できるだけ早期に院内体制を整えることが重要です。

8.まとめ|整骨院は自ら準備を進める必要がある

・2025年12月2日から保険証は廃止
・マイナ保険証か資格確認書で資格確認
・医科には経過措置が通知
・施術所には通知なし
・情報はポータルサイトに掲載予定
・オンライン資格確認未導入院は対応整理が必要
・患者説明・院内掲示・業務設計が必須

制度移行は確実に迫っており、後回しにするとリスクが拡大します。

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この記事の監修者

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中村 崇男

昭和44年東京生まれ。昭和63年都内整骨院を勤務し、東京柔道整復専門学校を卒業後、平成23年一般社団法人全国統合医療協会を設立。鍼灸師・柔道整復師の社会的地位と健康医療福祉の更なる向上を目標に幅広い分野で活動中。
一般社団法人全国統合医療協会理事長
公益財団法人明徳会清水ヶ丘病院理事長