【保存版】2月の「寒暖疲労」ぎっくり腰・神経(何神経・神経痛?)を招く?メカニズムと治療院でできる対策

【保存版】2月の「寒暖疲労」ぎっくり腰・神経(何神経・神経痛?)を招く?メカニズムと治療院でできる対策

はじめに

2月は暦の上では「立春」を迎え、春の兆しが見え始める時期です。しかし、実際には1年で最も寒暖差が激しく、治療院には「急なギックリ腰」や「坐骨神経痛の悪化」を訴える患者様が急増します。

本記事では、なぜ2月にこれらの症状が増えるのか、その科学的根拠(メカニズム)を紐解くとともに、厚生労働省の統計や医学的知見に基づいたセルフケア、そして治療院での具体的な対応策について詳しく解説します。

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1. なぜ2月に「ぎっくり腰」と「神経痛」が急増するのか

1-1. 「三寒四温」と自律神経の過負荷

2月の最大の特徴は「三寒四温」と呼ばれる激しい気温変化です。人間の体は、自律神経(交感神経・副交感神経)を働かせて体温を一定に保とうとしますが、気温差が7度以上になるとその調整機能が追いつかなくなります。これを「寒暖差疲労」と呼びます。

自律神経が乱れると、血管が収縮したままになり、筋肉への血流が阻害されます。その結果、腰周りの筋肉が「冷えて硬くなったゴム」のような状態になり、日常の何気ない動作で微細な断裂(ギックリ腰)を起こしやすくなるのです。

1-2. 気圧の変化と神経痛の相関

2月は低気圧と高気圧が交互に通過します。低気圧下では、体内のヒスタミン等の物質が分泌されやすく、炎症反応や痛みへの感受性が高まることが知られています。これにより、普段は落ち着いている坐骨神経痛などの痛みが再発・増幅しやすくなります。

2. 公的データから見る腰痛の現状

日本人の有訴者率(自覚症状のある人の割合)において、腰痛は常に上位を占めています。厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、男性では1位、女性では2位(1位は肩こり)となっており、国民病とも言える状態です。

【参考:性・症状別有訴者率(人口千対)】

順位

男性

女性

1位

腰痛 (91.8)

肩こり (113.8)

2位

肩こり (57.1)

腰痛 (103.1)

3位

鼻をすする・鼻づまり (48.3)

手足の関節が痛む (65.9)

出典元: 厚生労働省 2022年 国民生活基礎調査(世帯票)の概況

※最新の統計に基づき、腰痛がいかに多くの国民を悩ませているかを示しています。

3. 2月の伏兵「花粉症」と腰痛の危険な関係

あまり知られていませんが、2月中旬から始まる花粉症も、ギックリ腰の大きな要因となります。

・くしゃみの衝撃: くしゃみ一回にかかる負荷は、体重の約7倍とも言われます。

・腹圧の急上昇: 筋肉が硬直している状態で不意にくしゃみをすると、椎間板や背筋に瞬間的に過大な負荷がかかり、腰を痛める「くしゃみギックリ」が多発しています。

4. 患者様に伝えるべき「2月のセルフケア」3箇条

治療院での施術効果を持続させるため、以下の3点を患者様に指導しましょう。

① 「足首」を絶対に冷やさない

東洋医学において、足首には「太渓(たいけい)」や「三陰交(さんいんこう)」「申脈(しんみゃく)」「解渓(かいけい)」といった血流や自律神経に関わる重要なツボが集中しています。

・指導内容: 「春の服に着替えても、足首だけはレッグウォーマーや厚手の靴下で保護してください。ここが冷えると腰の血流が止まります」

② 入浴による「物理的・心理的リラックス」

シャワーだけで済ませず、40度程度のぬるま湯に15分ほど浸かることを推奨します。

・根拠: 浮力による筋肉の解放と、温熱による副交感神経の優位化が、寒暖差疲労をリセットします。

③ 「朝の起き上がり方」の改善

2月の朝は1日で最も気温が低く、筋肉が固まっています。

・指導内容: 目が覚めてすぐ起き上がるのではなく、布団の中で足をパタパタさせたり、膝を抱えたりして、腰回りを温めてから動き出すよう伝えます。

5. 治療院(柔整・あはき)としての対応戦略

5-1. 季節に合わせた問診の深掘り

「いつから痛いですか?」という質問に加えて、以下の確認を行います。

・「最近、急に冷え込んだ日に無理をしませんでしたか?」

・「花粉症の症状は出ていませんか?」
これらを確認することで、患者様は「この先生は季節の変化まで考慮してくれている」という信頼感を抱きます。

5-2. 物理療法の活用と提案

手技だけでなく、温熱療法(マイクロ波、赤外線)や電療(低周波、干渉波)を組み合わせる意義を再説明します。特に冷えが原因の神経痛には、深部加温が有効です。

6. まとめ:2月を乗り切り、春への準備を

2月の腰痛・神経痛は、個人の不摂生だけではなく、激しい気候変化という「外因」が大きく関係しています。治療院としては、単に痛みを取るだけでなく、「なぜ今、その痛みが出ているのか」という背景(ドメイン)を専門知識を持って解説することが、患者満足度の向上とリピート率の安定に繋がります。

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この記事の監修者

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中村 崇男

昭和44年東京生まれ。昭和63年都内整骨院を勤務し、東京柔道整復専門学校を卒業後、平成23年一般社団法人全国統合医療協会を設立。鍼灸師・柔道整復師の社会的地位と健康医療福祉の更なる向上を目標に幅広い分野で活動中。
一般社団法人全国統合医療協会理事長
公益財団法人明徳会清水ヶ丘病院理事長