助成金活用で機器導入コストを削減する方法

助成金活用で機器導入コストを削減する方法

はじめに

整骨院や鍼灸院の先生方の中には、「最新の治療機器を導入したいけれど、コストがネック…」と感じている方も多いのではないでしょうか。
しかし、そうしたお悩みを解決する方法があるのをご存じですか?

それが、助成金の活用です。

助成金と聞くと「なんだか手続きが面倒そう」「自分の院は対象じゃないかも」と感じてしまうかもしれません。
しかし、条件をきちんと満たせば、中小規模の治療院でも十分に活用可能な制度なのです。

本記事では、治療院の先生方が知っておくべき「業務改善助成金」の基本から、活用事例、申請の流れまで、わかりやすく解説していきます。

そもそも助成金とは?

まず、助成金とは、国や自治体が一定の条件を満たす事業者に対して支給する、返済不要のお金のことです。
助成金は融資とは異なり、後日返す必要がありません。

つまり、うまく活用することで、院の経費負担を大きく抑えつつ、設備投資や環境改善を実現できるのです。

では、整骨院や鍼灸院に関係の深い助成金には、どのようなものがあるのでしょうか。

治療院にも使える「業務改善助成金」とは?

とくに注目すべきなのが、厚生労働省の「業務改善助成金」です。

この制度は、従業員の賃金(時給)を30円以上引き上げることを前提に、業務効率化や生産性向上につながる機器や設備の導入費を、最大で3/4補助してくれるという制度です。

主な対象条件は以下のとおりです

〇中小企業・小規模事業者であること
〇最低賃金と事業所内賃金の差が50円以内であること
〇解雇や賃金の引き下げなど、助成金の不交付理由に該当しないこと

対象要件は比較的ゆるやかで、整骨院や鍼灸院でも該当するケースが多く、実際に活用している治療院も全国で増えています。

助成額の目安はどれくらい?

たとえば、以下のようなケースを見てみましょう。

・スタッフ2名の時給を60円アップ
・190万円の治療機器を導入
・助成率:3/4
・助成額:約142万5,000円
・社労士費用:約31万円(20%換算)

この場合、自己負担額は78万5,000円程度になります。
つまり、本来190万円かかるはずだった機器が、100万円以上もお得に導入できるというわけです。

どんな設備が対象になる?

この助成金は、「生産性向上」に資する設備であれば対象となるため、以下のようなものも該当します。

〇治療用電気刺激機器
〇業務用ベッド・リフト
〇会計・予約システム(IT導入)
〇パソコン・プリンターなどの業務効率化機器

「これは対象になるの?」と不安な場合も、事前にヒアリングを受けることで判断してもらうことができます。

手続きはやや複雑。でも…

ここまで読んで、「ちょっと難しそう」と感じた方もいるかもしれません。
たしかに、申請には賃金の引き上げ計画や機器の見積書、就業規則など、いくつかの準備書類が必要です。
また、手続きの流れも、以下のように複数ステップがあります。

 

1.事前相談と申請可否の確認

2.賃金引き上げの実施計画

3.導入機器の見積取得

4.助成金申請書類の作成・提出

5.審査・補正対応

6.機器導入と報告

7.支給申請と受給

 

しかし、社労士や専門支援機関のサポートがあれば、これらを丸ごとサポートしてもらうことが可能です。
実際に、当協会を通して申請された多くの治療院が、初めてでもスムーズに受給に至っています。

今、助成金を活用するメリットとは?

助成金は、年によって予算が変わるため、「ずっと使える制度」ではありません。
とくに最近は最低賃金の引き上げが続いており、今の条件を満たしている院でも、来年以降は該当しなくなる可能性もあるのです。

つまり、今のうちに制度を知っておく・活用しておく」ことが重要です。

また、導入したい機器がある場合、見積もりを取得しておけば、それをもとに申請スケジュールを立てることもできます。

まとめ:まずは制度を知ることから始めましょう

助成金は、知っているか知らないかで、経営の選択肢が大きく変わります。
とくに中小規模の整骨院や鍼灸院にとっては、限られた資金で「より良い院づくり」をするための強力な味方です。

〇設備投資をしたいけど、費用が重い
〇スタッフに還元したいけど余裕がない
〇でも、院をもっと良くしたい

そんな先生にこそ、知っていただきたい制度です。

✅もっと詳しく知りたい方へ

▼まずは自院が申請対象になるかフォームに入力してみよう▼

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeaFNZasIdUmnuWGITli-K4zHyf2VO7cYOWGw3J4BOlWyj2RA/viewform

この記事の監修者

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中村 崇男

昭和44年東京生まれ。昭和63年都内整骨院を勤務し、東京柔道整復専門学校を卒業後、平成23年一般社団法人全国統合医療協会を設立。鍼灸師・柔道整復師の社会的地位と健康医療福祉の更なる向上を目標に幅広い分野で活動中。
一般社団法人全国統合医療協会理事長
公益財団法人明徳会清水ヶ丘病院理事長