【整骨院の開業と税金】国税予定納税の納付書廃止について

2024.06.26
【整骨院の開業と税金】国税予定納税の納付書廃止について

整骨院で勤務経験を積んだ後、独立して開業をする方も多くいらっしゃると思います。近年ペーパーレス化や、デジタル化がすすんでいます。予定納税の納付書廃止とは、納税者に送付されていた納付書の郵送が廃止されるというものです。この変更は納税手続きの効率化とデジタル化を目指した取り組みの一環として実施されるものであり、納税者にとっても国税庁にとってもメリットがあるとされています。今回は、整骨院を開業するにあたり、令和6年5月に国税が行った予定納税(所得税・法人税)の納付書廃止について、これからどのような影響があるか解説します。

予定納税とは?

予定納税とは、確定申告(決算時)に納付する税金の一部を前もって納める制度です。

対象者は、前年度の年税額が一定の金額を超えた納税者となります。予定納税が必要となる税目には所得税・消費税・法人税の3つがありますが、今回納付書の事前送付がなくなってしまうのは、そのうち法人税及び個人の所得税です。

納付書の事前送付に関するお知らせ|国税庁 (nta.go.jp)

納付書が廃止になった経緯とこれから

まず、なぜこのような変更が行われるのか、その背景と目的について見てみましょう。国税庁は、ペーパーレス化の推進と行政手続きのデジタル化を進めています。この動きは、行政の効率化、コスト削減、そして環境負荷の軽減を目指しています。紙の納付書を廃止することで、これらの目標を達成しやすくなると考えられます。納税者には紙の納付書が送付されなくなります。その代わりに、電子納付の方法が推奨されます。納税者は「e-Tax」や「インターネットバンキング」を利用して納付を行うことが求められます。これにより、納税の手続きがより簡便かつ迅速になります。

納付書の事前送付がなくなる対象者は?

次に該当する方は令和6年5月以降、原則として納付書が郵送されなくなりました。e-Taxによる申告が義務化されている法人、e-Taxにより申告書を提出している法人、e-Taxで「予定納税額の通知書」の通知を希望された個人、納付書を使用しない次の手段により納付している個人・法人、ダイレクト納付(e-taxによる口座振替)、振替納税、クレカ納付、コンビニ納付、スマホアプリ納付、ネットバンキング等による納付です。

(「予定納税納付書の事前送付がなくなる対象者」作成:全国統合医療協会)

整骨院経営者への影響

この変更は、デジタルに慣れていない整骨院経営者にとっては一部不便を感じるかもしれません。しかし、国税庁はそのような納税者に対しても十分なサポートを提供する予定です。具体的には、電子納付の方法についてのガイドラインやサポートデスクの設置などが予定されています。また、納税者がスムーズに電子納付に移行できるよう、段階的な導入が進められます。ご自身で対象なのか分からない場合は、税理士に確認をして、納税し忘れたなどのトラブルがないように心がけましょう!

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メリットと課題

この変更には多くのメリットがあります。まず、納税者は納付書を紛失する心配がなくなります。また、納税の手続きが迅速化され、納税者の時間を節約することができます。さらに、国税庁にとっても、紙の納付書の印刷や郵送にかかるコストを削減できるというメリットがあります。

一方で、デジタル化に伴うセキュリティの問題も懸念されています。電子納付の方法が増えることで、不正アクセスやデータ漏洩のリスクも高まります。これに対しては、国税庁が厳重なセキュリティ対策を講じることが求められます。

注意点

決算申告時には納付書の送付がなくても納付自体を忘れることはないと考えられますが、予定納税(中間納税)については、決算期ほど納税に関する意識が向いていないことが多いため、特に注意が必要です。

※現時点では源泉所得税の納付書、消費税の中間申告兼納付書の送付は継続されています。

まとめ

令和6年5月以降の国税予定納税の納付書廃止は、納税手続きのデジタル化と効率化を目指した重要な一歩です。納税者にとっても利便性の向上が期待される一方で、デジタル化に伴う課題にも対応していく必要があります。全国統合医療協会では、整骨院をこれから開業する方へ無料相談会を行っています。サポートは無料ですので、お気軽にご相談ください。

 

この記事の監修者

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中村 崇男

昭和44年東京生まれ。昭和63年都内整骨院を勤務し、東京柔道整復専門学校を卒業後、平成23年一般社団法人全国統合医療協会を設立。鍼灸師・柔道整復師の社会的地位と健康医療福祉の更なる向上を目標に幅広い分野で活動中。
一般社団法人全国統合医療協会理事長
公益財団法人明徳会清水ヶ丘病院理事長