【施術管理者研修】柔整向け|制度の基本から変更点や準備していないと困る事など開業から運営の豆知識を解説

2024-04-16

治療院で柔道整復師として勤務する事を実務経験を積むとも言います。時間の経過とともに、開業を考えたり給料が昇給してほしいと考えた場合、施術管理者研修を受けて、施術管理者になるという選択肢があります。今回は、柔道整復師向けに施術管理者の制度変更点や、管理柔道整復師になるための条件などについて基本を解説します。

施術管理者研修について

施術管理者研修とは

正式には施術管理者研修とよびます。柔道整復療養費の支給申請や良質な施術を、患者さんに対して提供できるために設けている研修です。研修によって身につけた知識が管理柔道整復師としての能力をさします。

施術管理者研修を受けていないと、開業しようと考えた時に管理柔道整復師になれない為、要件をクリアしたら予め施術管理者研修を終わらせておくのがおすすめです。

制度の概要と目的

管理柔道整復師の方を対象に、2018年4月1日から施術管理者研修の受講が必須になりました。近年ではご存じの方も多くいらっしゃいますが、制度が始まる前に国家資格を取得している方にとっては、管理柔道整復師や施術管理者研修がどのようなものなのか、積極的に周知されていないのが現実です。

施術管理者研修は社会保障審議会医療保険部会柔道整復療養費検討専門委員会が、平成29年3月27日付で「施術管理者の要件について」発令しました。

新たに柔道整復師の施術に係る、療養費の受領委任を取扱う施術管理者になるために、実務経験だけではなく、研修の受講を要件として決めました。施術管理者は、適切に柔道整復療養費の支給申請を行う必要があり、患者さんに質の高い施術を提供できるようにすることを目的としています。主催は、公益財団法人柔道整復研修試験財団です。

施術管理者研修の申込方法

申込は公益財団法人柔道整復研修試験財団が行っています。ウェブサイトで必要書類を揃えた上で申し込みをしましょう。

申し込みは下記から行いましょう。

公益財団法人 柔道整復研修試験財団

実施時期

土日及び祝日に実施します。年間のスケジュールを柔道整復研修試験財団の方で記載していますので、ご確認ください。

私たちも可能な範囲で周知しています。

受講期間と時間

連続した2日間で、休憩をはさみながら合計16時間実施します。

管理柔道整復師になるための条件(実務経験が必要です)

実務経験を積んだあとは、施術管理者になる事が出来ます。施術管理者になるにあたって要件が変更になったり、取得した後も勤務年数の要件が変更になる事があります。

整骨院で働くにあたって、2024年(令和5年)4月から、実務経験年数が2年から3年に変更になりました。

管理者研修を正しく受けていないと、保険請求ができず、返戻になってしまうという事もありますので、詳しく確認しておきましょう。

通常の柔道整復師よりも役割を担っている管理柔道整復師ですが、管理者になるためには2つの条件があります。それぞれ下記でご紹介します。

 実務経験について

実務経験とはその名の通り、整骨院・接骨院で柔道整復師として実際に施術に携わっていた経験が有るか無いかのを指しています。そして、その実務を証明する必要があります。

届け出をするタイミングによって必要となる実務経験期間が異なります。証明方法にも決まりがあり、まずは実務経験期間証明書という専用の様式を使って、実務経験を積んだ証明をしなければなりません。実務経験は離職や転職をしていたとしても問題ありません。累計での期間が対象になります。注意点としては、柔道整復師として従事する時に、必ず管轄の保健所へ柔道整復師登録の届け出をすることです。万が一この登録が漏れてしまっていると、実務経験の証明ができない期間となってしまいますので注意しましょう。

具体的な実務経験年数は?

1年から3年の中で必要な実務経験期間が変わります。令和4年(2022年)4月から令和6年(2024年)3月までは2年の実務経験であるのに対して、令和6年(2024年)4月からは3年の実務経験が必要になります。(受領委任の届け出を行う場合に限ります)

(作成:全国統合医療協会)

施術管理者研修をしていないと困る事3選

何故私たちが施術管理者研修の大切さを周知するかというと、管理者研修を受けていなくて保険請求できない月があった。すべて返戻になったなどの事例があったからです。保険を使用せず完全自費治療で開業する場合は関係ありませんが、未来の事は誰にもわかりません。具体的にどのような事で困るかをお伝えします。

年収が上がりにくい

整骨院で勤務するにあたり、施術管理者は重宝されるため年収があがる傾向があります。なぜなら、整骨院においては一院あたりに一人施術管理者を設けなければならないからです。

柔道整復管理者であるという事は、患者さんの提供に必要な知識などを取得しているという意味合いでもあるため、開設者やオーナーも安心して業務を任せられる可能性が高くなります。

転職しにくい

年齢が上がっていくにつれ、一般的には転職もしにくくなる傾向があります。施術者の方についてはスキルや経験が重宝されるため、それほどハンデにはなりません。しかし、アイテムは多い方がより選択肢が増えます。

開業する

無事に柔道整復師になって、実務経験を積んだのちに、いざ届け出関係を済まそうとしたら管理者研修を受けていないことが発覚し、開業が遅れるパターンもあります。最初は自費のみで開業しているから自分には関係ないと思っても、患者さんから保険を使った施術を多く求められたため、新たにご相談のお問い合わせをいただくこともたくさんあります。

まとめ

施術管理者研修は、患者さんに施術を行う柔道整復師にとって大切な制度です。年収アップのために整骨院を開業しようと考えた時に、実務経験がなかったり、管理者研修を受講していないと施術した療養費を申請できなかったというトラブルも多く存在します。整骨院の開業に関しては、施術管理者研修以外にも開設の届け出を保健所や厚生局へ届け出が必要だったり、経営者としても開業準備や税理士との顧問契約が必要だったりと、手続きが複雑です。

特に届け出関係と施術管理者研修については、予め調べてから手続きしたつもりでも受領委任の開始日に影響が出るケースもあり、注意が必要です。

私たち全国統合医療協会では、請求代行サービスを始め、初めての開業に特化したサービスを数多くご用意しています。運営や療養費の改定情報など積極的に周知している他、セミナーや勉強会なども数多く実施しておりますので是非お気軽にご相談ください。