整骨院は自宅開業が可能!メリット・デメリットと開業時のポイントも

2025.03.28
整骨院は自宅開業が可能!メリット・デメリットと開業時のポイントも

自営業では自宅の一部を店舗とするケースも多いことから、整骨院(接骨院)を自宅で開業できないか検討している方もいるでしょう。整骨院はテナントでしか開業できないと考える方も多くいますが、実は自宅での開業が可能です。

この記事では、整骨院の自宅開業に向けた主な流れや必要な届出、自宅で開業するメリット・デメリットについて解説します。自宅開業にかかる費用や、自宅開業を成功させるためのポイントを併せて確認し、整骨院の自宅開業に向けた準備を進めましょう。

1. 【整骨院】自宅開業の主な流れと必要な届出

整骨院を自宅で開業するには、テナントで開業する場合と同様に、「開設届」「受領委任取扱いに関する届出」「開業届」の3種類の届出が必要になります。ここでは、それぞれの届出について簡単に確認しておきましょう。

開設届
整骨院の開業後、管轄の保健所に提出します。「施術所開設届」と併せて、柔道整復師免許の原本と写し、施術所の平面図、最寄駅からの周辺地図などが必要となるため、事前に管轄の保健所に確認しておきましょう。
受領委任の取り扱いに関する届出
健康保険の取り扱いを行うためには、受領委任契約を締結する必要があります。地方厚生局や共済組合連盟、防衛省、労働基準局など、さまざまな機関にそれぞれ提出する必要があることに注意しましょう。
開業届
税務署に対し、個人事業主として事業を始めたことを申告するための届出です。開業に必須というわけではありませんが、青色申告による税制優遇を受けるためにも開業時に提出することをおすすめします。

これらの届出関係で不安に感じることがある場合は、整骨院の開業をサポートする専門家に相談すると良いでしょう。

2. 整骨院を自宅で開業するメリット

整骨院を自宅で開業することには、コストダウンや利便性の向上、経営者(施術者)のワークライフバランスの確保などさまざまな面でメリットがあります。

ここでは、整骨院を自宅で開業することの主なメリットを3つ紹介します。自宅開業のメリットを把握した上で、自宅での開業を前向きに検討しましょう。

2-1. 初期費用・ランニングコストを大きく抑えられる

自宅で整骨院を開業する場合、テナントを借りる場合と比べて初期費用やランニングコストを大幅に抑えられるというメリットがあります。

物件費がかからないため、開業時のコスト負担を大きく軽減できるでしょう。内装工事や電気工事にかかる施工費も抑えられるため、経済的な負担だけでなく時間や手間も節約できます。

また、家賃負担がないことも大きなメリットと言えます。管理費や共益費、保険料といったランニングコストが不要であるため、テナントで開業する場合と比べて経営を安定させやすいでしょう。

2-2. 通勤にお金と時間をかける必要がなくなる

自宅で整骨院を開業した場合、自宅と職場が同じ場所となるため、通勤にお金や時間をかける必要がなくなります。今までであれば通勤にかけていた時間を、自分や家族のために使うこともできるでしょう。

また、午前と午後の営業の間(休憩時間)などに家庭の用事を済ませられるというメリットもあります。通勤時の渋滞や電車の遅延によるストレスや、交通事故などのリスクも低減することが可能です。

2-3. 急患対応がしやすくなる

自宅と整骨院との距離が遠い場合、早急な対応が求められる患者さんへの対応が難しいケースも少なくありません。

一方、自宅開業の場合は自宅から整骨院への移動の手間・時間がかからないため、急患対応をスムーズに行うことが可能です。患者さん・施術者双方の負担を最小限に抑えられるでしょう。

また、急患に対し迅速に対応できる整骨院は、患者さんや地域から信頼され、高い評価を得やすくなります。良い口コミが広がることで、自身が経営する整骨院を選んでくれる方も増えるでしょう。

2-4. 仕事と家庭の両立がしやすくなる

整骨院を自宅開業する場合、通勤に時間がかからず休憩時間に家庭の用事を済ませられるため、業務量を変えずにプライベートの時間を増やすことが可能です。育児や介護との両立を実現しやすくなるでしょう。

また、家族に自分が働いている姿を見せられることも大きなメリットと言えます。整骨院の仕事・自分の業務に対する理解を得やすくなるため、忙しいときには家族から配慮・サポートしてもらうこともできるでしょう。

3. 整骨院を自宅で開業するデメリット

整骨院を自宅で開業することには魅力的なメリットも多くある一方、デメリットもいくつかあることに注意が必要です。

ここでは、整骨院を自宅開業することの3つのデメリット・注意点について解説します。デメリットを踏まえた上で、整骨院の自宅開業に向けた準備を進めましょう。

3-1. テナントに比べて集客難易度が高まる

整骨院を自宅開業するデメリットの1つとして、テナントと比較して集客難易度が高まることが挙げられます。

テナントの多くは立地が良く、通行人にも認知されやすい場合がほとんどです。一方、自宅開業の場合は住宅街に自院を構えることになるため、テナントと比べて目立ちにくく、通行人からの認知を得られにくいでしょう。

また、テナントは外から中の様子を見やすいガラス張りの物件が多いのに対し、自宅開業した整骨院は外から中の様子をうかがいにくいというデメリットもあります。認知度を向上し、来院のハードルを下げるためにも、目立つ看板の設置やSNSによる集客に力を入れると良いでしょう。

3-2. プライバシーの確保が難しくなる

自宅で整骨院を開業する場合、不特定多数の方に自宅の住所や電話番号などの個人情報を明かすことになります。

居住スペースと施術スペースの間取りやレイアウトによっては、患者さんに居住スペースを見られてしまう可能性もゼロではありません。間取りを工夫したり仕切りを設けたりするなどの対策を心がけましょう。

また、プライベートでの生活圏内と整骨院の患者さんの生活圏内が重なるケースが多いことも注意が必要です。外出時に患者さんと顔を合わせる機会が増えることも考えられるでしょう。

3-3. 物件としての価値が下がる

整骨院を自宅開業した場合、施術スペースや待合スペースなどを作る必要があるため、一般的な居住用の住宅と間取りが大きく異なるケースも珍しくありません。

居住用物件としての価値が下がりやすくなるため、整骨院を閉業して自宅を売却する際になかなか買い手がつかないことも考えられるでしょう。

4. 整骨院の自宅開業にかかる費用はどれくらい?

整骨院を自宅で開業する際にかかる費用は、約10万~20万円が相場となります。テナントを借りて開業する場合の費用は数百万円以上であることから、自宅開業はコストを大きく軽減するための有力な選択肢と言えるでしょう。

ただし、整骨院の自宅開業にかかる費用相場(約10万~20万円)は、あくまでも必要最小限の準備を行った場合の目安です。リフォーム費用や人件費、広告宣伝費、施術機器の購入費は含まれていないことに注意しましょう。開業時に必要となる最低限の備品・消耗品は下記の通りです。

【整骨院の自宅開業時に必要なもの】

● 整骨院の看板

● 施術用ベッド

● 枕・シーツ

● タオル

● 問診表

● 領収書

● 診察券

● 文房具

● 施術者の施術着・患者さんの着替え

● 脱衣カゴ

● スリッパ

● 電話機・FAX

● コピー機

● 掃除用具 など

なお、費用をなるべく抑えたい場合は、施術機器や備品のレンタルを活用するのもおすすめです。

5. 整骨院の自宅開業を成功させるためのポイント

整骨院の自宅開業を成功させるためには、「集客に力を入れる」「生活感を出さない」の2つのポイントを押さえることが大切です。

自宅で開業する場合、テナントと比べて通行人など地域の方々の認知度が向上しにくいため、良い施術を行っていても患者さんがなかなか来てくれないことがあります。SNSや口コミを活用したり、地域のイベントに積極的に参加したりするなど、地域の方々と信頼関係を築きながら知名度を高めていきましょう。リピート客を増やすことも大切です。

また、自宅開業の場合はテナントでの開業と比べて生活感が出やすくなることに注意が必要です。「施術スペースと居住スペースをそれぞれ独立させる」「清潔感のある内装にする」「整理整頓を心がける」など、患者さんに安心してもらえる空間づくりを心がけましょう。

まとめ

整骨院の自宅開業は難しくなく、各種の届出を行うことで開業することができます。整骨院を自宅で開業することには多くのメリットがある一方、デメリットもあることに注意しましょう。集客に力を入れるとともに、患者さんが安心して施術を受けられるような空間をつくることが大切です。

整骨院開業時の届出や資金調達、機器の手配や集客・広告について不安がある方は、整骨院の経営に詳しい専門家に相談することもおすすめです。全国統合医療協会では、整骨院の開業や経営を多方面からサポートしています。整骨院の開業を検討している方は、ぜひ全国統合医療協会へご相談ください。

この記事の監修者

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中村 崇男

昭和44年東京生まれ。昭和63年都内整骨院を勤務し、東京柔道整復専門学校を卒業後、平成23年一般社団法人全国統合医療協会を設立。鍼灸師・柔道整復師の社会的地位と健康医療福祉の更なる向上を目標に幅広い分野で活動中。
一般社団法人全国統合医療協会理事長
公益財団法人明徳会清水ヶ丘病院理事長