整骨院が計上できる経費分類8選|各科目の具体例とその他の節税方法

整骨院を経営するうえで欠かせない業務の1つが、毎年行う「確定申告」です。確定申告とは、1年間の売上や経費をもとに所得を算出し、最終的に納めるべき税金額を確定させる手続きを指します。
事業者の申告内容によって所得税額は大きく異なるため、日頃から適切に経費を管理し、無駄のない経営を行うことが重要です。特に事業規模が大きくなるほど税負担も増えるため、多くの整骨院経営者は「計上できる経費」を正しく把握し、節税につなげています。
そこで今回は、整骨院で計上できる代表的な経費分類とその具体例、さらに経費以外で実施できる節税方法について分かりやすく紹介します。
目次
1. 整骨院経営者必見!「税金」の基本的なルール
整骨院を経営するうえでは、所得税の額をできる限り抑えるための節税対策が欠かせません。しかし、誤った節税は税務調査のリスクを高める可能性があるため注意が必要です。健全な経営・申告のためには、まず税金の仕組みを正しく理解することが重要となります。
そもそも所得税とは、 1年間の売上から必要経費を差し引いた所得に対して課税される税金 です。所得税の簡単な計算式は「(売上 − 経費 − 控除) × 税率 = 所得税額」で、具体的には下記の順番で算出するのが基本となります。
【所得税の計算方法】
| (1)課税対象となる所得の算出 | 売上 − 必要経費 = 所得 |
|---|---|
| (2)課税所得の算出 | 所得 − 各種控除(基礎控除・社会保険料控除など) = 課税所得 |
| (3)所得税額の算出 | 課税所得 × 所得税率(累進課税) − 税額控除 = 所得税額 |
このように、所得税は売上・経費・控除のバランスで決まります。正しい知識をもとに計画的に経費や控除を活用することは、安心・安全な節税につながります。
2. 整骨院の経費分類(勘定科目)|各経費の具体例も
整骨院経営による所得税をできる限り抑えるためには、適切な経費計上が重要なポイントです。整骨院経営者が計上できる経費にはさまざまな種類があり、これらは「勘定科目」と呼ばれます。
ここからは、整骨院経営者が計上可能な勘定科目の概要と具体的な経費の例を分かりやすく紹介します。
2-1. 地代家賃
地代家賃とは、事業用の土地や建物を借りる際に支払う費用を指します。
整骨院においては、 施術所として使用する院の賃料や、院内に設置する駐車場の賃料など が該当します。自宅兼事務所として使用している場合は、事業で使う部分のみを按分して計上することが可能です。
地代家賃は毎月一定額支払う固定費となるため、経営管理上も重要な科目となります。
2-2. 水道光熱費
水道光熱費は、電気・ガス・水道などの光熱費のことです。
整骨院では、 施術用の電気機器や暖房・冷房設備、給湯器の使用にかかる費用 が含まれます。自宅兼整骨院の場合は、事業利用分を按分して計上します。また、毎月の請求書を保存しておくことで、経費計上の根拠として税務署に提示可能です。
2-3. 通信費
通信費とは、電話・FAXやインターネット回線、携帯電話といった各種通信に関する費用のことです。
整骨院では、 顧客対応のための電話回線や予約管理システム、インターネット使用料など が該当します。事業用と私用が混在する場合は、事業で利用した割合を基に按分して計上する必要があります。
2-4. 消耗品費
消耗品費は、事業運営で消耗する備品の費用です。1つあたりの単価が10万円未満、または使用可能期間が1年未満の物品購入費が対象となります。
整骨院においては、玄関、待合室、施術室、スタッフルームなど院内のさまざまな場所で消耗品が使われるため、経費項目の中でも最も多くなる傾向があります。具体例としては、下記が挙げられます。
| 玄関・待合室 |
|
|---|---|
| 施術室 |
|
| スタッフルーム |
|
消耗品は使い切り型のため、 購入時に一括で経費として計上でき、日々の施術や院内運営に直接使われる費用として認められやすい科目 と言えます。
2-5. 広告宣伝費
広告宣伝費とは、事業の集客や認知拡大のために支出する費用のことです。
整骨院では、 チラシ印刷費、ホームページ作成・運用費、SNS広告、看板設置費など が該当します。特に顧客獲得のための広告費用は税務上も経費として認められることが多く、計画的に支出することで集客効果と節税効果の両立が可能です。
2-6. 福利厚生費
福利厚生費は、従業員の労働環境や健康維持のために支出する費用です。
整骨院においては、 健康診断費用、社内での食事補助、スタッフ用のユニフォーム購入費、慰安会や研修費用など が該当します。福利厚生費は従業員への還元だけでなく、職場環境の向上や離職率低下にもつながります。
2-7. 旅費交通費
旅費交通費とは、事業活動に伴う移動にかかる費用のことです。
整骨院では、 往療で利用したタクシー代、駐車場代、公共交通機関の利用費など が該当します。外部研修や学会参加に伴う交通費も含まれます。なお、個人的な移動は経費計上できないため、事業目的であることを明確にしておく必要があります。
2-8. 車両費
車両費は、業務に使用する車両にかかる費用のことです。
整骨院では、 往療や器材運搬に使用する専用車両のガソリン代、月極駐車場・パーキング代、保険料、整備費など が含まれます。なお、車両を所有していない場合、往療で利用したタクシー代や駐車場代は「旅費交通費」として分類されることもあります。事業使用割合を正確に管理することが重要です。
3. 整骨院における経費計上以外の節税方法
整骨院の節税は、適切な経費計上以外にもさまざまな方法があります。さまざまな節税アイデアを取り入れることで、納税額を抑えつつ、将来の安定経営や資金繰りにも役立ちます。最後に、整骨院経営者が活用しやすい主な節税方法を紹介します。
●青色申告にする
青色申告とは、 事業所得に対して一定の要件を満たすことで税務上の優遇措置を受けられる申告方法 です。最大65万円の青色申告特別控除を受けられるほか、赤字の繰越控除(最大3年間)や専従者給与の経費計上なども可能で、所得税の軽減につながります。
青色申告は白色申告よりも正確かつ複雑な帳簿付けが必要ですが、そのぶん節税効果が高く、日々の収支や経営状況の把握にも役立ちます。
●小規模企業共済に加入する
小規模企業共済は、 個人事業主や小規模法人の経営者が、将来の退職金や廃業時の資金を積み立てるための制度 です。整骨院の場合、売上の変動や急な廃業リスクに備えることができ、将来の生活資金を計画的に準備できます。
小規模企業共済の掛金は月々1,000円から7万円まで自由に設定でき、全額が所得控除の対象となるため、所得税や住民税の節税につながります。また、掛金の納付期間や解約条件も柔軟で、ライフプランに合わせた資金管理が可能です。節税効果と将来の資金準備を同時に実現できる点が、大きなメリットと言えるでしょう。
●法人化する
個人事業主から法人にすることで、所得税率より低い法人税率を適用できる場合があります。また、役員報酬の調整や福利厚生費の活用など、経費計上の幅が広がることもメリットです。
法人化は手続きや維持コストがかかりますが、売上や所得が増えるほど節税効果も大きくなります。 一定の所得を超えた段階で、長期的な節税・経営戦略の一環として検討してみると良い でしょう。
まとめ
整骨院経営において欠かせない「税金」をできる限り減らすためには、適切な経費計上がまず重要です。
整骨院が計上できる経費には、地代家賃や水道光熱費、消耗品費などさまざまな勘定科目があり、適切に整理することで所得税の負担を抑えることが可能です。また、経費計上以外では青色申告や小規模企業共済の活用、法人化なども節税の有効な手段となります。
全国統合医療協会では、開業支援から経営改善に至るまでのサポートを幅広く提供しております。整骨院の開業を考えている方や整骨院の経営に課題を感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。
この記事の監修者

サービス資料
レセコン
お問い合わせはこちら