接骨院(整骨院)におけるコンセプトの重要性|決め方・ポイントも
接骨院(整骨院)を開業するには、コンセプトの決定や事業計画書の作成、資金調達などを丁寧に進めていく必要があります。自分が目指す理想の形を思い描くことで、開業に向けて準備を進めやすくなります。コンセプトは経営にも大きく影響するため、じっくり考えて作り上げましょう。
今回は、接骨院の開業時におけるコンセプトの重要性とコンセプトの決め方について詳しく解説します。コンセプトを決める際におさえておくべきポイントにも触れるため、ぜひ参考にしてください。
目次
1. 接骨院(整骨院)開業時におけるコンセプト決めの重要性
接骨院(整骨院)開業時には、経営のベースとなるコンセプトをあらかじめ決めておくことが重要です。
コンセプトとは、骨組みや柱となる概念を意味します。コンセプトは、開業エリア・内装工事・施術メニューなどさまざまな事柄に反映されます。漠然とした内容ではなく、「誰に」「何を」「どのように提供したいのか」を具体的にイメージすることが大切です。
コンセプトを決めるメリットは、下記の通りです。
開業や経営のビジョンが明確になる
独自性をアピールしやすくなる
顧客とのマッチングがしやすくなる
コンセプトを決めることで、ビジョンが明確になり開業準備を進めやすくなります。顧客が接骨院を選ぶ判断材料にもなるため、分かりやすさも重要です。経営に成功している接骨院の多くは、コンセプトをしっかりと作り上げています。
2. 【4STEP】接骨院のコンセプトを決める際の主な流れ
接骨院のコンセプト決めで最初にやるべきことは、ターゲットの具体的なイメージです。さらに施術メニューや他院との差別化ポイントを考え、最終的にコンセプトを整理して決定します。
以下では、接骨院のコンセプトを決める際の流れをステップごとに詳しく解説します。
2-1. STEP1:ターゲットの設定
まずは接骨院を利用する人を具体的にイメージしてターゲットを設定しましょう。自分が得意な施術からターゲットの人物像を想定することで、コンセプトを決めやすくなります。
ターゲットの設定に必要となる要素は、次の通りです。
年齢層
性別
職業
収入
結婚の有無
体の不調や悩み
「スポーツをする20代男性」「子育て中の30代女性」「デスクワークが多い40代男性」など、要素によって体の不調や悩みは変わります。また、来院できる時間帯や立ち寄りやすさも異なります。どのような人が何を目的に来院するのかを明確にしましょう。
2-2. STEP2:施術メニューの設定
次に、設定したターゲットに合わせて提供する施術メニューを考えます。例えば、スポーツをする20代男性にはスポーツ治療に特化した施術、子育て中の30代女性であれば骨盤矯正やリフレッシュできる施術などが挙げられます。顧客が足を運びやすくなるように、看板メニューや定番メニューを決めておきましょう。
ただし、知識や経験が不足している施術や高額な機材が必要な施術は、顧客の満足度低下や経営の圧迫につながるため避けたほうが無難です。
2-3. STEP3:他院との差別化
コンセプトを決める上で、他院との差別化を図ることも重要です。自院の強みを打ち出し、顧客のニーズを満たすことを目指しましょう。
接骨院の差別化の具体例は、下記の通りです。
ニーズに合った施術メニューを提供する
利便性に優れた立地で開業する
顧客の予算を考慮して料金設定をする
ターゲットが通いやすい時間帯に営業する
ターゲット層に合った集客方法を選ぶ
接骨院の件数は年々増加しており、顧客は自分に合う接骨院を自由に選べます。差別化できない接骨院は経営を続けることが難しくなるでしょう。
2-4. STEP4:コンセプトの整理・決定
コンセプトに矛盾があると、経営を続ける上でトラブルが起こったり顧客のニーズを満たせなかったりする可能性があります。ターゲット・施術メニュー・差別化の内容の3つを整理し、矛盾がないかどうかチェックしましょう。
経営の方向性を分かりやすく示すために、コンセプトはできるだけ簡潔に説得力のある言葉でまとめるのがポイントです。「自院の魅力をアピールできているか」「顧客にとって価値のある接骨院か」をしっかりと考えて、コンセプトを決定しましょう。コンセプトから接骨院の特徴や雰囲気が伝わるのが理想です。
3. 接骨院のコンセプトを決める際のポイント3選
接骨院のコンセプトを決める際には、「コンセプトシート」「6W2Hシート」を使うと考えをまとめやすくなります。開業支援を行うプロにサポートしてもらうのも1つの方法です。
ここでは、接骨院のコンセプトを決める際のポイントを紹介します。
3-1. 「コンセプトシート」を作成する
コンセプトシートとは、考えやアイデアをまとめるために用いるシートです。コンセプトに一貫性を持たせることができます。
コンセプトシートに記載する主な項目は、下記の通りです。
立地条件
ターゲット
ポジショニングと利用動機
サービス内容と運営
施術メニュー
施術所の環境
価格設定と支払い方法
プロモーションの手段
ポジショニングと利用動機は、「顧客にとって自院はどのような位置づけか」「顧客の利用目的は何か」を考えるための項目です。ポジショニングと利用動機が明確になると、提供するサービスや施術所の内外装をイメージしやすくなります。
ターゲットに合わせて料金の支払い方法を検討することも大切です。近年は、キャッシュレス決済を希望する人が増加しています。プロモーションの手段は、インターネット・SNS・紙媒体などからターゲットに届きやすい方法を選択しましょう。
3-2. 「6W2Hシート」を作成する
コンセプトシートを活用しても考えやアイデアをうまくまとめられない場合は、6W2Hシートの活用がおすすめです。
6W2Hシートを活用した具体例は、下記の通りです。
When(いつ) | 2025年11月に開業予定 |
---|---|
Where(どこで) | 〇〇市内、オフィス街 |
Who(だれが) | 施術者(自分)1名+受付スタッフ1名 |
Whom(だれに) | サラリーマンやOL、肩こりや腰痛に悩む人 |
What(なにを) | 肩こりや腰痛など慢性的な痛みに対する対応 |
Why(なぜ) | オフィス街で働く人が体と心をリセットできる場を作りたい |
How(どのように) | SNSを活用した集客 |
How much(いくらで) | 開業総予算1,000万円、マッサージ30分4,000円~ |
6W2Hシートを埋めることで、自分が目指す理想の接骨院をイメージしやすくなります。まずは思いついた項目から書き出しましょう。
3-3. 開業支援のプロのサポートを受ける
接骨院の開業におけるコンセプトの決定は、開業支援のプロにサポートしてもらうのも1つの方法です。コンセプトの決定はもちろん、開業後のアフターフォローまで丁寧に対応してもらえます。
コンセプトに悩んでいる人や運営・プロモーションに関する知識がなく不安な人は、一度開業支援のプロに相談してみましょう。
プロに相談する際は、接骨院業界に詳しい専門家に依頼するのも一案です。接骨院の顧客ニーズや施術内容を熟知している人に相談することで、的確なアドバイスやサポートを受けられます。接骨院の開業支援の実績があるかどうかにも注目して、相談先を選びましょう。
まとめ
接骨院の開業を成功させるには、経営の柱となるコンセプトを丁寧に作成することが大切です。
コンセプトは、ターゲットや施術メニューを設定し、他院との差別化を図った上で決定します。考えやアイデアをまとめるには、コンセプトシートや6W2Hシートの活用がおすすめです。コンセプトに悩んでいる人は、開業支援のプロにサポートを受けることも検討してみましょう。
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