【整骨院】診断書(施術証明書)の書き方|必要なケースと発行料金も

整骨院では、施術による体の変化や回復状況を記録として残すことがあります。
病院や整形外科では「診断書」が発行されますが、整骨院では主に「施術証明書」と呼ばれる書類を用います。いずれも体の状態や施術内容を証明する書類ですが、その役割や記載内容には違いがあります。
施術証明書を正しく書かなければ、証明書としての効力が得られず、お客さんに手間をかけさせてしまう可能性もあります。いつ発行を依頼されてもスムーズに書けるよう、知識を習得しておくことが大切です。
そこで今回は、病院の診断書と整骨院の施術証明書の違いから、施術証明書が必要となるケース、書き方や注意点、発行する際にかかる料金まで詳しく解説します。
目次
1. 病院・整形外科の「診断書」と整骨院の「施術証明書」の違い
ケガやぎっくり腰などで治療や保険施術が必要となった人の中には、学校や職場、保険請求などで書面による証明を求められることがあります。治療・施術の証明として代表的なものには、多くの人が一度は耳にしたことがある「診断書」が挙げられます。
しかし、診断書は病院や整形外科などの医療機関でのみ発行できるものであり、整骨院(接骨院)や整体院では診断書を発行することができません。その代わりに、「施術証明書」を発行することになります。つまり、医療機関で発行される診断書が、整骨院にとっての施術証明書と言えます。
1-1. 病院・整形外科の診断書とは
診断書とは、 医師が患者さんの症状を医学的に判断し、必要な診断根拠や今後の方針を明確に示す書類のこと です。医師資格の保有者のみが作成できる書類であり、病院や整形外科といった医療機関以外では診断書や後遺障害診断書を発行することができません。
診断書は診察内容や検査結果に基づいて作成され、病状やケガの状態、治療期間の目安などが記載されます。提出先は学校や職場、保険会社など多岐にわたり、正式な医療文書としての効力があります。
つまり、診断書は「医学的な診断根拠と治療方針を明確に証明するための書類」と位置付けられます。
1-2. 整骨院の施術証明書とは
施術証明書とは、 施術を行った事実や経過を記録した書類のこと です。主に施術内容やその経過、来院回数などの情報を記載します。
整骨院の経営者やスタッフは医師資格をもって施術を行うわけではないため、診断書や後遺障害診断書を発行することはできません。
整骨院の施術証明書は、いわゆる「施術実績を証明するための書類」として利用されます。
2. 診断書や施術証明書が必要となるケース
整骨院では診断書を発行できませんが、「施術を受けた事実を証明するために診断書が必要だから、整骨院で施術を受ける意味がない」というわけではありません。 整骨院が発行できる施術証明書も、さまざまな場面に対応できます。
診断書や施術証明書が必要となる代表的なケースとしては、下記が挙げられます。
(1)交通事故や労災、健康保険の保険請求
(2)勤務先への提出(ケガやぎっくり腰での休業時)
(3)就職活動やスポーツイベントなどでの健康状態証明
前述の通り、診断書は医学的な診断根拠を示す書類で、施術証明書は実際に施術を受けた事実を示す書類です。そのため、ケースによっては診断書と施術証明書の両方が求められるほか、診断書のみが必要だったり、反対に施術証明書だけで事足りたりする場合もあります。
例えば、交通事故で保険請求する場合は基本的に診断書が必須で、施術証明書は補助資料として有効です。勤務先への提出は会社の規定によっていずれか一方で足りる場合があり、健康状態の証明には診断書が求められるのが一般的です。
このように、 診断書と施術証明書は「誰が」「何の目的で」求めているかによって使い分けることが重要 です。
3. 整骨院における施術証明書の内容と書き方
整骨院で施術証明書を発行する際は、基本的な内容を理解しておくことが重要です。
お客さんの情報や施術情報、整骨院の情報を適切にまとめなければ、証明書としての効力を得られなくなるおそれがあります。
また、施術証明書には記載できない表現もいくつか存在します。正しく施術証明書を書くためにも、ここから紹介する基本的な記載内容と書いてはいけない情報・表現をおさえておきましょう。
3-1. 基本的な記載内容
施術証明書の基本的な記載内容は、下記の通りです。
| お客さんの情報 | ● 氏名 ● 性別 ● 生年月日 など |
|---|---|
| 施術に関する情報 | ● 傷病名 ● 施術を受けた日時 ● 施術音種類 ● 継続の有無 ● 過去の施術歴 など |
| 整骨院の情報 | ● 施術所名 ● 所在地 ● 電話番号 ● 柔道整復師(施術者)の指名 など |
施術証明書には、まず患者さんの氏名・生年月日・性別などの情報を記載します。次に施術情報として、傷病名、施術を受けた日時、施術の種類、継続の有無、過去の施術履歴などをまとめます。最後に、院名や所在地、そして施術者である柔道整復師の氏名や連絡先といった整骨院の情報も記載しましょう。
このとき注意しておきたいのが、「傷病名は診断名ではない」という点です。整骨院では、「腰椎椎間板ヘルニア」といった医師の診断にもとづく正式な診断名を書くことができません。
しかし、 「腰の痛み」や「打撲による腫れ」など、ケガの名称や症状の状態を示す表現は傷病名として記載可能 です。また、医師が診断を行い診断名が確定している場合は、その診断名を記載することもできます。
3-2. 施術証明書に書いてはいけない情報
下記のような情報は、施術証明書に記載してはなりません。
● お客さんの同意なしの個人情報
● 施術結果に対する主観的な評価
● 「診断」「治療」などの医療的な表現
特に気を付けておきたいのが、医療的な表現です。
整骨院では、医療行為を連想する言葉や表現の使用が制限されています。したがって、 「診断」や「治療」といった言葉はもちろん、将来の予測も書いてはなりません。 なぜなら、将来を予測するという行為そのものが診断行為にあたるためです。
とは言え、お客さんは「ケガのために数日間安静にする必要がある」という情報を施術証明書に求めるケースが多いため、実務上こうした表現を一切なくすのは現実的に困難でしょう。
そのため、一部の整骨院では「〇〇の傷病名により〇年〇月〇日より約〇日間の通院、安静を要すると認めます」と記載した後に「上記の通り証明いたします」とまとめることで、書けない言葉を避けつつ必要な情報を含める工夫が行われています。
また、保険請求や裁判などの重要な場面での使用が考えられる場合には、 お客さんに対して医師による診断書を取得するよう案内することも、「信頼される整骨院」として重要な対応 です。
4. 整骨院で施術証明書を発行するときの料金
整骨院で施術証明書を発行する場合は基本的に有料であり、整骨院はお客さんに発行費用を請求することが可能です。 施術証明書の発行にかかる料金の一般的な相場は1通あたり約3,000円前後で、お客さんの自己負担となります。
とは言え、実際の発行料金は整骨院ごとに差があります。当然ながら安いほうがお客さんからは喜ばれるものの、施術証明書の発行料金で整骨院を選ぶ人はほとんどいません。そのため、 証明書作成にかかる記録作業や人件費を考慮した上で、損失が出ないよう適切な額に設定すると良い でしょう。
まとめ
整骨院では、診断書ではなく施術証明書を発行できます。診断書は医師のみが発行できる医学的な診断根拠を示す書類であり、施術証明書は整骨院で受けた施術の事実を示す書類です。
整骨院で施術証明書を発行する際は、診断書との違いや記載できる内容、書いてはいけない情報を理解しておかなければなりません。また、お客さんが施術証明書の発行を依頼する背景もしっかり踏まえた上で、場合によっては医師による診断書を取得するよう案内することも大切です。
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