整骨院の「受診照会」とは?送付する理由や届いた場合の対応方法も

整骨院では、急性または急性に準ずる亜急性の負傷に対する施術が保険適用となります。そして、保険者は適正な保険請求かどうかを判断する目的で、施術を受けた被保険者本人に「受診照会」を送付する仕組みを設けています。
整骨院で保険施術を受けた後に受診照会が届いた場合、期限までに正しく対応しなければ保険請求に影響を及ぼす可能性があります。スムーズに対処するためには、受診照会の役割や記載内容を理解しておくことが大切です。
今回は、整骨院で施術を受けてから送付される受診照会の概要から送付される理由、さらに主な記載内容や具体的な対応方法、無視した場合のリスクまで分かりやすく紹介します。
目次
1. 整骨院で施術を受けてから送付される「受診照会」とは?
整骨院で施術を受けてから1~2か月程度経った後、自宅に「受診照会」と呼ばれる書類が届く場合があります。
受診照会とは、健康保険組合や協会けんぽ、国民健康保険などの保険者が被保険者に対して送付する確認書類です。 整骨院での施術が健康保険の適用範囲に該当するかどうかを確認するために送られるもの であり、施術を受けた人全員に届くわけではありません。施術内容が保険適用の範囲かどうか判断が必要な場合など、何らかの理由で抽出された一部の方に送付されるのが特徴です。
書類の中には、整骨院で施術を受けた際の状況を確認する質問票と、返信用封筒が同封されています。整骨院で施術を受けた後しばらく経ってから自宅に受診照会が届いた場合は、 保険請求に支障をきたさないよう速やかに必要事項を記入し、期限内に返送することが大切 です。
2. 保険者が被保険者に受診照会を送付する理由
保険者が受診照会を送付する主な目的は、「療養費の適正な運用」です。
療養費の適正な運用を目的に受診照会を送付することの具体的な理由としては、下記の2点が挙げられます。
● 保険適用範囲の要件を満たしているかを確認する
● 重複請求を防ぐ
ここからは、それぞれの理由についてより詳しく紹介します。
2-1. 保険適用範囲の要件を満たしているかを確認するため
整骨院での施術は医療機関での診療と異なり、健康保険が適用される範囲が「急性または亜急性の外傷」に限定されています。具体的には、捻挫や打撲、ぎっくり腰、肉離れなどが対象であり、反対に肩こりや慢性的な腰痛といった症状は保険適用外です。
このように保険適用範囲が限られているため、適正な保険請求かの判断が難しいケースもあります。加えて、整骨院は医療機関ではないため、医師のように法的な効力をもった診断書を発行することはできません。したがって、 保険者にとっては「被保険者本人からの回答」が整骨院での保険請求が正しいかどうかを判断できる重要な手がかり となります。
長期間にわたって同じ部位を施術している場合や、施術を受けた理由があいまいな場合、あるいは施術部位についてほかの医療機関でも受診歴がある場合には、保険者が適用要件を満たしているかどうかを確認するために受診照会を送付する可能性が高いでしょう。
2-2. 重複請求を防ぐため
保険者が被保険者に対して受診照会を送付するもう1つの大きな理由は、「重複請求を防ぐため」です。
健康保険が使える施術は、原則として同じ内容での二重利用は認められていません。万が一重複して請求が行われた場合、保険診療として認められず自費扱いになったり、保険者から返戻されることがあります。
例えば、 整骨院と整形外科を同時に通院していたり、複数の整骨院で同じ部位の施術を受けていたりすると、重複請求の可能性があると判断されます。 この場合、事実確認を行うために受診照会が送付される可能性が高いと考えておくと良いでしょう。
3. 受診照会の書類に記載する内容
受診照会の質問票には、整骨院で施術を受けた際の基本的な情報を記入する必要があります。具体的には、下記のような項目が中心となっています。
● 受診日
● 施術を受けた部位
● 負傷原因
● 同じ部位についてほかの整骨院または医療機関で施術を受けたか
● 療養費支給申請書に署名したか 等
記入方法は複雑なものではなく、 多くが「はい・いいえ」「あり・なし」といった選択肢にチェックを入れる形式 です。
例えば「受診された原因は何ですか」という問いに対して「けが」「けが以外」といった具体的な回答を選ぶイメージです。自由記述が求められるのは、「その他」の回答を選んだときの()内や、「どこでどうしていたときのケガですか」の質問に対する回答欄程度となっています。
このように、質問票はあくまで事実確認を行うためのシンプルな内容であり、専門的な知識や難しい記述は求められません。
4. 受診照会の書類が届いた場合の対応方法
整骨院で施術を受けてから自宅に受診照会書が届いた場合は、 速やかに内容を確認し、事実に基づき正直に回答することが大切 です。
受診照会の回答における虚偽記載が発覚した場合は、不正請求とみなされ保険請求が認められなくなるおそれがあります。そのため、適当な回答や嘘の回答をするのは控えましょう。
当時の記憶があいまいな場合は、施術を受けた日の領収書や通院時のメモを確認することで、正しい情報を思い出せることもあります。
また、受診照会書の返送には期限が定められていることに注意が必要です。返送期限はケースによって若干の差はあるものの、 一般的には送付から数週間~1か月後が目安 となります。期限を過ぎると保険請求に影響を及ぼすおそれがあるため、できる限り早めの対応を心がけましょう。
4-1. 書き方に迷った場合は整骨院に相談するのがおすすめ
万が一質問票の書き方に迷った場合や、質問の意味が分かりにくい場合、また施術の状況を正確に思い出せない場合は、整骨院に直接相談するのが最もスムーズです。整骨院ではお客さん一人ひとりの施術内容や通院記録を管理しているため、確認すればすぐに情報を得られるでしょう。
ただし、受診照会の記入はあくまで被保険者本人が行う必要があり、整骨院が代筆することは認められていません。 相談を通して内容を整理し、自分の言葉で正確に記入するようにしましょう。
5. 受診照会を無視した場合のリスクは?
受診照会の返送は法律上の義務ではありません。しかし、期限を守らずに放置・無視してしまうと、被保険者本人だけでなく整骨院にとっても大きな問題が生じる可能性があります。
最後に、受診照会を無視した場合のリスクについて紹介します。
●保険請求が認められなくなる
受診照会を返送しなければ、保険者は整骨院に対する療養費の支払いを一時的に保留したり、認めなかったりする場合があります。
整骨院が本来受け取れるはずの保険請求額が支払われなければ、そのぶんの費用をお客さん自身が自費で負担しなければならなくなることもあります。つまり、 返送を怠ることで思わぬ自己負担が発生する と言っても過言ではありません。
●整骨院に迷惑がかかるおそれがある
被保険者から受診照会が返送されない場合、保険者は整骨院に直接調査を行うことがあります。具体的には、過去のレセプトや施術記録の提出を求められたり、担当者が施術内容や請求内容について詳細に説明しなければならなかったりします。
こうした調査は整骨院にとって大きな事務負担となるうえ、不備や不適正が見つかった場合には請求額の返還や指導を受ける可能性もあります。
このように、受診照会を無視すると自身だけでなく整骨院にも余計な手間やリスクをかけてしまいます。保険適用を継続し、 整骨院との信頼関係を損なわないためにも、届いた受診照会は必ず期限内に正しく返送することが重要 です。
まとめ
整骨院で施術を受けた後しばらく経ってから自宅に届く受診照会は、保険者が保険適用の妥当性や重複請求の有無を確認するための書類です。保険施術を受けた全員に送付されるわけではなく、適正な保険請求を確認する必要がある一部の被保険者に送付されます。
受診照会を正確かつスムーズに返送するためには、施術を受けた日の詳細をしっかり記録しておくことも大切です。領収書を残しておくことはもちろん、負傷部位や原因、どのような施術を受けたのかもメモに残しておくことで、受診照会の記入がスムーズになり、安心して保険請求手続きを進められるでしょう。
この記事の監修者

サービス資料
レセコン
お問い合わせはこちら