整骨院で働く柔道整復師と経営者の平均年収|年収アップの実現方法も

整骨院は柔道整復師の就職先としても人気があり、店舗数は年々増加傾向にあります。中には、整骨院の開業を目指す柔道整復師の方も多く見られます。
整骨院で働くことや独立開業を考えている方の中には、平均年収が気になっている方もいることでしょう。将来をイメージしやすくするためにも、整骨院で働くとなるとどれくらいの年収が得られるのか知っておくことは大切です。
今回は、整骨院で働く柔道整復師と経営者の平均年収を解説します。年収を左右するポイントや年収アップの実現方法についても詳しく触れているため、ぜひ参考にしてください。
目次
1. 【雇用形態別】整骨院で働く柔道整復師の平均年収は?
整骨院で働く柔道整復師の雇用形態は、正社員・派遣社員・パートなどさまざまです。整骨院で働く柔道整復師の年収は雇用形態によって異なるため、まずはどのような働き方をしたいかイメージしておきましょう。
ここでは、整骨院で働く柔道整復師の平均年収を雇用形態別に詳しく解説します。
1-1. 正社員
整骨院で働く柔道整復師の多くは、正社員としての雇用契約です。国家資格を取得後に新卒で就職する方もいれば転職して整骨院で働いている方もいます。
整骨院で正社員として働く柔道整復師の平均年収は、下記の通りです。
| 正社員の平均年収 | 約351万〜404万円 |
|---|
月収に換算すると、約29万~33万円です。ほかの雇用形態に比べると、当然ながら正社員の平均年収は高い傾向にあります。ただし、勤務先や経験年数、スキルによって年収には差があります。
勤務先によっては、月給制ではなく歩合制を採用している場合があります。 歩合制の場合、固定客を獲得できれば平均以上の年収を得ることも可能 です。
1-2. 派遣社員・契約社員
整骨院では、正社員と同様に派遣社員や契約社員として働く方も多く見られます。
整骨院で派遣社員・契約社員として働く柔道整復師の平均年収は、下記の通りです。
| 派遣社員・契約社員の平均年収 | 約252万~336万円 |
|---|
月収に換算すると、約21万~28万円です。正社員に比べると平均年収は同じぐらいかやや低くなります。
勤務の自由度が高く残業が少ないなどのメリットがあり、ライフスタイルに合った働き方をしたい方に人気があります。 ただし、派遣社員や契約社員には契約期間が定められているため、同じ職場で長期間働きたい方は注意が必要です。
1-3. アルバイト・パート
整骨院は、アルバイトやパートとして働くこともできます。
整骨院でアルバイト・パートとして働く柔道整復師の平均時給は、下記の通りです。
| アルバイト・パートの平均時給 | 約1,000~1,500円 |
|---|
1日あたり4時間で週4日働くと仮定した場合、平均年収は約19万~29万円です。時給制が多く、他の働き方に比べると平均年収は大幅に下がります。
ただし、 仕事量をセーブしつつ働きたい方や副業で柔道整復師として働きたい方にはメリットが大きい働き方 と言えるでしょう。
アルバイトやパートの仕事内容は、受付や掃除などの補助業務の場合もあります。柔道整復師として働きたい場合は、応募前に確認しておきましょう。
2. 雇用されている柔道整復師の年収を左右するポイント
雇用されて働く柔道整復師の年収は、勤務先となる整骨院の規模や方針だけでなく、さまざまな要素によって左右されます。ただし、雇用者の場合は院の売上が直接収入に反映されるわけではなく、あらかじめ定められた給与体系に基づいて年収が決まる点が特徴です。
そのため、 経営状況よりも、本人の経験年数や技術レベル、保有資格といった個人的要因 のほうが年収に影響しやすい傾向にあります。また、勤務する地域による賃金水準の違いや、役職の有無、担当業務の幅なども重要な判断材料です。
自分のスキルやキャリアがどのように評価される職場なのかを見極めることが、年収アップにつながるキーポイント と言えるでしょう。
3. 整骨院で働く柔道整復師が年収アップを実現する方法
整骨院で働く柔道整復師の年収は、働き方や働く場所によっても大きく変わります。平均以上の年収を稼ぎたい方は、年収アップにつながる方法をチェックしておきましょう。
ここからは、整骨院で働く柔道整復師が年収アップを実現する方法を4つ解説します。
3-1. 関連資格を取得する
柔道整復師の資格以外にも関連資格があると、優遇されて手当がプラスされます。年収アップを目指したい方は、柔道整復師以外の関連資格の取得にもチャレンジしてみましょう。
整骨院で働く柔道整復師の年収アップにつながる主な資格は、次の通りです。
● はり師・きゅう師
● アスレティックトレーナー
はり師ときゅう師の資格を取得すると、鍼灸師として活躍することができます。鍼灸師は鍼と灸を用いた治療が可能となるため、提供できる施術の幅が広がります。 柔道整復師・鍼灸師のダブルライセンスの方は、年収アップを実現しやすい でしょう。
アスレティックトレーナーは、スポーツに関するケガへの対応やリハビリに特化した資格です。アスリートのサポートに重要な資格であるため、取得することで年収アップにつながります。
3-2. 歩合制で働ける整骨院に転職する
整骨院の給料形態は、「固定給」「完全歩合給」「基本給+歩合給」など職場によって異なります。年収アップを実現したい場合は、歩合制で働ける整骨院に転職するのも1つの方法です。
歩合給の主な基準は、下記の通りです。
● 1日に施術した患者様の人数
● 担当している患者様の人数
● 1日あたり売上金額
歩合給の整骨院では、1日に施術した患者様の人数を基準にするケースが多く見られます。 技術や接客に自信がある方であれば、完全歩合制で働いたほうが収入アップしやすい でしょう。
お客様からの指名が入るか不安な方には、基本給に歩合給が追加される職場もおすすめです。
3-3. 昇進・昇格する
年収アップを目的に昇進・昇格を目指すというのは、雇用されている柔道整復師にとって最もシンプルな手段です。職場や働き方といった労働環境を大きく変えずに年収アップを図りたいという人にとっては、非常に現実的な選択肢と言えるでしょう。
整骨院でも一般的な企業と同様、昇進・昇格によって役職に就くことで、基本給のアップや手当の支給が期待できます。
特に、複数店舗を展開するグループ経営の整骨院では役職制度が整備されているケースが多く、 施術スタッフからリーダー、分院長、マネージャーなどへとステップアップするにつれ、役割に応じた手当がしっかりと支給される傾向にあります。
ただし、昇進・昇格を目指すためには施術スキルだけでなく、スタッフ管理や売上管理といったマネジメント能力も求められます。年収が上がる一方で、求められる能力や責任も大きくなる点に留意しておきましょう。
昇進・昇格のためには、まずお客様から信頼される施術者であることが前提です。 日々の業務に真摯に取り組み、実績と周囲からの評価を積み重ねていくことが、キャリアアップへの近道 と言えるでしょう。
3-4. 独立開業する
柔道整復師として高収入を目指したい場合は、独立開業も1つの選択肢です。経営がうまくいけば、正社員として勤務するより収入が増える可能性があります。
独立した整骨院経営者の平均年収は、下記の通りです。
| 整骨院経営者の平均年収 | 約400万~800万円 |
|---|
整骨院経営者の平均年収は、開業からの年数によって差があることが特徴 です。開業して1年目は約400万~600万円、1年目から繁盛している場合は600万円以上稼ぐ経営者もいます。
開業から3年が経過して経営が安定した場合、平均年収は約600万~800万円以上にアップします。
4. 【ケース別】整骨院経営者の平均年収
整骨院経営者の平均年収(約400万~800万円)はあくまで目安であり、実際の年収は開業からの年数や整骨院の規模・経営状況によって大きく変わります。
特に、スタッフ数や店舗数によって売上構造やコスト構造が大きく異なるため、年収にも明確な差が生じやすい点が特徴です。
そこで次に、年収に違いが生じやすい3つのケースに分けて、整骨院経営者の平均年収を紹介します。
4-1. 1人で運営している場合
| 1か月の売上 | 約120万円(1日20人 × 単価3,000円 × 月20日) |
|---|---|
| 年間売上 | 約1,440万円 |
| 利益率 | 20~30% |
1人で整骨院を運営している場合、1日20人・単価3,000円・月20日稼働と仮定すると、1か月の売上は約120万円、年間売上は約1,440万円となります。 利益率を20~30%とした場合、整骨院経営者の手取り年収は「約290万~430万円」が目安です。
1人整骨院の場合、人件費がかからない点は大きなメリットですが、施術・受付・経営管理をすべて自分で担う必要があります。また、自身の休みや来院数が売上に直結することから、年収が不安定になりやすい点にも注意が必要です。
4-2. 複数のスタッフを雇っている場合
| 1か月の売上 | 約360万円(施術者3人分) |
|---|---|
| 年間売上 | 約4,320万円 |
| 利益率 | 15~25% |
施術者を複数人雇用する場合は、1人で運営する整骨院に比べて人件費をはじめとしたコストがかかることから利益率は下がる一方で、年収はやや高くなる傾向です。
例えば施術者3人分の売上を想定すると、1か月の売上は約360万円、年間売上は約4,320万円となります。 利益率を15~25%とした場合、整骨院経営者の手取り年収は「約650万~1,080万円」が目安です。
スタッフが増えることで、給与や社会保険料などの固定費は増加しますが、その分売上規模も大きくなります。結果として、1人整骨院よりも高い年収を得やすい傾向があります。
4-3. 複数の整骨院を運営している場合
| 1か月の売上 | 約900万円(1店舗あたりの月商300万円 × 3店舗) |
|---|---|
| 年間売上 | 1億800万円 |
| 利益率 | 10~20% |
複数人の施術者を置いた整骨院をいくつか運営する場合は、かかるコストも大きくなるため利益率はより下がる一方で、整骨院経営者が得られる絶対的な利益額も非常に大きくなるのが特徴です。
例えば月商300万円程度の整骨院を3店舗運営する場合、1か月の売上は約900万円、年間売上は約1億800万円となります。 利益率を10~20%とした場合、手取り年収は約1,080万~2,160万円が目安です。
複数店舗経営では、わずかな利益率の差が最終的な手取り年収に大きく影響します。そのため、現場の施術力だけでなく、収支管理を含めた経営判断力やマネジメント能力、スタッフ・取引先との折衝力など、経営者としての総合的なスキルがより重要になるでしょう。
5. 独立開業をすると年収1,000万円以上を目指せる!
独立開業した整骨院経営者の中には、 1,000万円以上もの年収を得ている人もいます。 もちろん、すべての整骨院経営者が高収入を実現できるわけではありませんが、経営スキルやマーケティング力次第では、年収1,000万円以上を目指すことも決して夢ではありません。
そもそも整骨院経営者にとっての収入とは、売上から人件費や家賃、広告費などの必要経費を差し引いた「事業所得」、いわば自由に使える手取り収入のことを指します。そのため、収入アップを目指すには、売上を伸ばすだけでなく、無駄な支出を抑えて利益率を高める視点も欠かせません。
整骨院の売上には、来院数や平均単価、物販の有無や販売量などさまざまな要素が影響します。年収1,000万円以上の整骨院経営者には、次のような特徴があります。
● リピーターが多い
● 価格の低さに勝る魅力がある
● 物販などの販売スキームがある
整骨院経営者として年収1,000万円以上を目指すには、ほかの整骨院経営者にはない強みが必要 です。
6. 整骨院経営者の年収を左右する要素
雇用されて働く柔道整復師の場合、年収は本人の経験年数や技術レベル、資格の有無などによって左右される傾向にあります。
一方で、整骨院経営者の年収は、売上や経営状況がそのまま収入に反映されやすい点が大きな特徴です。つまり、施術者としての腕前だけでなく、「どのように院を運営しているか」が年収に直結します。
そこで次に、整骨院経営者の年収を左右する主な要素を3つ紹介します。
6-1. 集客力
整骨院の売上は、基本的に「来院数 × 単価」がベースとなります。そのため、集客力は最も重要な要素と言えるでしょう。
近年は整骨院や整体院の数が増え、施術技術が高いだけでは安定した集客につながらないケースも少なくありません。 安定的に収入を確保するには、新規患者の獲得とリピーターの維持を両立させる仕組みづくりが不可欠 です。
具体的には、オンライン集客の強化や口コミ対策、他院との差別化施策などが挙げられます。一時的な年収アップにとどまらず、高い年収を安定的に維持するためには、これらの施策を継続的に行うことが重要です。
6-2. 利益率
利益率とは、 売上に対してどれだけの利益が残るかを示す指標のこと です。たとえ売上が高くても、支出が多ければ手元には残りません。そのため、利益率は整骨院経営者の収入を左右する第二のカギとなります。
特に、保険施術に偏った運営では単価が低くなりやすく、利益率が下がる傾向があります。そのため、自費施術とのバランスを見直すことが重要です。あわせて、人件費や家賃などの固定費を定期的に見直し、無駄な支出を抑えることで、手元に残る利益を着実に積み上げられます。
このように、売上ではなく「利益」を軸にした経営判断は、年収アップに直結すると言えるでしょう。
6-3. 人材力
整骨院の収入を安定させるうえで、人材力も欠かせない要素です。柔道整復師の育成やスタッフの定着、接客品質の均一化など、人に関わる部分は院全体の生産性に大きく影響します。
特に複数店舗展開を視野に入れる場合、スタッフ一人ひとりの能力や定着率が売上に直結します。そのため、 教育体制の整備や働きやすい環境づくり が重要です。スタッフが成長し、自発的に行動できる整骨院ほど顧客満足度が高まり、結果として収益の安定につながります。
7. 柔道整復師が整骨院の独立開業を目指すステップ
柔道整復師が整骨院の独立開業を目指す際の主なステップは、次の通りです。
| STEP(1)事業計画の立案 | ● 立地、ターゲット層、施術内容、売上見込みを整理する ● 開業後の収支シミュレーションを行う |
|---|---|
| STEP(2)資金の準備 | ● 物件取得費、内装費、設備費などの初期費用を把握する ● 開業後数か月分の運転資金もあわせて確保する |
| STEP(3)書類整備・諸手続き | ● 開設届や各種行政手続きを行う ● 保険取り扱いに関する申請も忘れず進める |
| STEP(4)広告宣伝活動 | ● ホームページやGoogleビジネスプロフィールの準備を行う ● チラシやWeb広告などの集客施策を検討する |
| STEP(5)事業開始 | ● 施術体制やオペレーションを整え、開業する |
なお、 整骨院の開業準備には半年〜1年程度かかるのが一般的 です。開業したい時期から逆算し、少し余裕をもたせたタイミングで各ステップを計画的に進めましょう。
8. 【整骨院経営者向け】売上(年収)アップに向けた4つのポイント
整骨院の運営をスムーズにするため、そして着実に売上・年収アップを目指すためには、いくつかのポイントをおさえておくことも大切です。
最後に、高収入を目指す整骨院経営者向けに売上アップのポイントを4つ紹介します。
8-1. 適切なターゲットとコンセプトの設定
売上アップを実現するには、どのようなお客様にどのようなサービスを提供したいのかを考えることが重要です。ターゲットがビジネスパーソンであれば「腰痛・肩こり専門の整骨院」、高齢者向けであれば「アットホームな整骨院」など、イメージを明確にしましょう。
適切なターゲットとコンセプトが明確になると、 営業時間や必要な施術などお客様のニーズに合った整骨院づくりがスムーズになります。
8-2. 競合との差別化
整骨院数が多い現代において、ほかの整骨院との差別化は重要なポイントです。ほかの整骨院と同じような売り出し方をしていると、明確な違いが生まれずお客様に選ばれにくくなります。
競合との差別化には、 立地・価格設定・営業時間などの見直しが必要 です。競合との差別化について詳しく知りたい方は、下記の記事もチェックしてみましょう。
【整骨院】差別化が必要な理由と差別化を図るポイントを6項目別に解説
8-3. 自費メニューの充実
売上・利益を伸ばすうえで、自費メニューの充実は重要なポイントです。
自費メニューとは、健康保険が適用されない施術のことで、各整骨院が自由に料金を設定できます。代表的な自費メニューとしては、骨盤矯正や姿勢矯正、EMSやトレーニングサポートなどが挙げられます。
保険施術だけでは対応しきれない悩みに対して自費メニューを用意することで、施術の幅が広がり、一人ひとりに合ったより細かなケアが可能になります。結果として、顧客満足度やリピート率が高まり、長期的な来院につながりやすくなります。
また、自費メニューは保険施術に比べて単価を高く設定しやすいため、1人あたりの売上が伸び、利益率の向上にも直結します。 保険施術と自費メニューをうまく組み合わせることが、整骨院経営者の年収アップにつながるポイント と言えるでしょう。
8-4. 無駄な支出の削減
売上・年収アップを目指すうえで、無駄な支出の削減も欠かせない要素です。
整骨院の経営では、人件費や家賃、広告費、消耗品費など、毎月さまざまなコストが発生します。まずは収支状況を定期的に把握し、「本当に必要な支出かどうか」を見直すことが重要です。
例えば、効果が見えにくい広告の継続出稿、使い切れていない施術機器のリース費用、過剰な在庫を抱えている消耗品などは、削減を検討しやすい代表的な項目と言えます。また、業務フローを見直して残業を減らすことは、人件費の抑制にもつながります。
ただし、無理なコストカットはスタッフのモチベーション低下や院内環境の悪化を招きかねません。 必要な投資と削減すべき支出を見極めながら利益率を高めていくことが、安定した整骨院経営と年収アップに向けた重要なポイント です。
まとめ
整骨院で正社員として働く柔道整復師の平均年収は約350万〜400万円です。一方で、独立開業をして年収1,000万円以上稼いでいる整骨院経営者もいます。
整骨院で柔道整復師として働きつつ年収アップを目指すには、関連資格の取得や転職、独立開業などの方法があります。整骨院経営者として売上アップを目指すには、ターゲットとコンセプトの設定や競合との差別化を図ることがポイントです。
「全国統合医療協会」では、整骨院の独立開業を目指す方のサポートをしています。独立開業を考えている方は、ぜひお気軽にご相談ください。
この記事の監修者

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