保険者返戻でよくある医科併給について解説

2024-02-19

整骨院で保険を扱っていると、保険者から「医科との併給・併用の禁止」を理由とした返戻や不支給を経験した事がある方も多いのではないでしょうか。

痛み止めなどの投薬があった場合には全て返戻など、極端に厳しく対応をする保険者もいます。

今回は、療養費における医科併給と考え方についてお伝えをしていきたいと思います。

医科併給の原則

同一部位に対して柔整と医科とで同時に請求があがった(=併給となった)場合には、医科の請求を優先するというルールが存在します。

よくある例としては、腰に対する施術を整骨院での施術と病院の診療やリハビリ治療は同時に行うことはできないということです。

例えば保険者からの理由で下記のような返戻理由を見かけた事はありませんか?

〇月〇日~〇月〇日の期間に
他医療機関の受診があります

このような返戻が起こる原因と解消方法について深堀していきます。

医科併給に対する基本用語

医科の管理下

医科の管理下というのは、医科の請求を優先するという原則のもと、病院に行った日と同じ日に施術した場合や、投薬期間も含まれるという事も注意が必要です。

重複

医科の管理下にある期間と重ねて施術していることを指します。

医科併給について具体例はこちら

(作成:全国統合医療協会)

上記の通り9日に病院に通院し、12日と17日に整骨院で施術を受けました。投薬期間と重複しているため、請求できません。

18日に投薬が終わるため、19日以降は整骨院の保険治療が請求できます。9日だけ気をつければよいというわけではありませんので注意しましょう。

医者からの投薬があるのに、知らずに請求してしまっているケースもあるかもしれません。

返戻を減らすためにできる事

返戻を防ぐためには、患者さんに確認し続ける事が大切ですね。確認する項目は主に4つあります。

確認項目
患者さんに対して医師の診療を受けているか
投薬の有無
施術者が提案する
病院も整骨院も通う事はできるのか

患者さんから病院にも整骨院にも通いたいと希望があったら

病院での診療と施術を行うことはできないかというと決してそうではありません。

保険請求においては請求自体が出来なくなってしまいますが、患者さんの希望にこたえられない仕組みでも何かできる事があると良いですね。

患者さんが希望した時には自費診療を提案してみましょう。患者さんに説明をして頂き、保険診療はできないことを了承していただいた上で施術をしましょう。

現在通われている患者さんの中に医科重複の方はいらっしゃいませんか?一度患者さんとご確認ください。

まとめ

今回は整骨院の保険請求においてよくある医科併給について解説しました。医科併給の仕組みは変わらないものの、患者さんの為にできる事は何かという事に重きを置き、開拓を続けることが安定経営への第一歩になります。

それだけではなく、患者さんと日々のコミュニケ―ションの中で最近通院を始めた可能性を会話から聞き取って、治療する側から確認して伝え続ける事が大切です。

保険者返戻が最近増えてきた。患者が増えてきて請求業務が滞る、事務作業が負担に感じる方は私たち全国統合医療協会にお気軽にご相談ください。