賠償責任保険は必要性|よくある事例について解説

2024.07.31
賠償責任保険は必要性|よくある事例について解説

こんにちは。全国統合医療協会スタッフブログです。整骨院・鍼灸整骨院を円滑に運営していくために、施術には細心の注意をはらっていると思います。それでも起こってしまう事があるのが医療過誤や医療事故ですね。

今回は、最近よくある賠償責任保険の問合せについてご紹介します。これから開業を考えている方や、開業済みだけどそもそも賠償責任保険には入っているけど使ったことがないから具体的には分からない。という方については復讐の意味でも参考になれば幸いです。

そもそも賠償責任保険とは

賠償責任保険(ばいしょうせきにんほけん)とは、第三者に対して損害を与えた際に、その損害を補償するための保険です。整骨院のような医療機関では、施術ミスや過失により患者に損害を与える可能性があります。このような場合、患者から賠償請求を受けることがありますが、賠償責任保険があれば、その賠償金や関連する訴訟費用などをカバーすることができます。

整骨院向けの賠償責任保険の補償ポイント

施術中の事故やミス

例えば、施術中に患者が怪我をした場合、その治療費や慰謝料などを補償します。

施設内での事故

患者が整骨院内で転倒して怪我をした場合や、院内設備による事故などもカバーされます。

名誉毀損やプライバシー侵害

患者の個人情報の漏洩や名誉を傷つける行為に対する賠償も対象となります。

製品責任
整骨院で販売した製品(サポーターや湿布など)による事故や健康被害も補償されることがあります。

訴訟費用
– 患者から訴えられた場合の弁護士費用や裁判費用も保険でカバーされます。

 賠償責任保険に加入するメリット

財務的なリスクの軽減

 大きな賠償金を請求された場合でも、保険があることで経済的な負担を軽減できます。

安心感

万が一の事故やトラブルが発生しても、適切な補償が受けられるため、安心して業務を行うことができます。

顧客信頼の向上

賠償責任保険に加入していることを示すことで、患者さん側からの信頼を得やすくなります。

整骨院を経営する上で、賠償責任保険は重要なリスクマネジメントの一環です。万が一の事態に備えて、適切な保険に加入することをお勧めします。

患者さんを施術でケガをさせてしまったときに補償するのが「賠償責任保険」です。

最近では、患者さんの意識も高く施術の効果に対して満足がいかなかったり、違和感をお持ちになられたことを医療過誤として訴えてくるケースも増えています。

補償内容

契約会社や内容により異なりますが、主に治療費、入院や通院日数に応じた見舞金、休業補償、応急手当費用、病院への搬送費用、弁護士費用や裁判費用などが補償されます。

何をもって医療過誤とするのかについては、施術者自身の施術が原因であるという確実な証拠が必要であるため、原則患者さんに病院で診断を受けてもらう事が必要です。

患者さんが病院へ行かない場合

医療過誤だと感じている患者さんが、「たいしたケガではなかったしな。」と感じ、病院に行かなかったというケースがあります。その場合、賠償責任保険の対象になりません。

原因が不明な医療過誤

医療過誤の申出があった場合、患者さんに病院で受診していただき、医師の診断書をもとに医療過誤の判断がされます。

原因を特定する事が難しい場合、保険会社からの医療調査や医師への面談などにより、細かい調査がされたのち判断されます。

示談交渉の方法

訴訟を起こされる前の、話し合いでの交渉は原則、施術者が行います。私たちや保険会社(保険代理店)、柔整団体など、弁護士以外の第三者が賠償保険の示談代行をすることは弁護士法で禁じられています(交通事故の示談代行を損保会社の職員が行う行為は特例)

保険会社は施術者へのアドバイスや保険会社の患者調査という立ち位置で対応いたします。患者さん側に訴えられた場合を除き、原則施術者本人が対応します。

また、医療過誤は施術中に生じる事故なので、円満な解決策は、施術者が誠意をもって患者さんに対応することがへの近道です。

また、ご自身の施術に非がなければ、毅然とした態度で対応することも大切です。

賠償責任保険に加入する際の注意点

加入する賠償責任保険は金融庁から認可された保険会社の商品であるか必ず確認しましょう。

保険会社が運営していない共済保険や海外の保険会社に委託している商品もあります。補償内容も商品によって異なるため、確認してから加入しましょう。

施設管理賠償保険が適用事例

整骨院や鍼灸整骨院で、不注意又は予期せぬ事故で「患者の服を灸でこがした」「患者のメガネを踏んでしまい破損させた」などといった患者の私物を破損・汚損してしまうことがあります。そんなとき施設管理賠償保険に加入されていれば補償対象になる場合があります。施設管理賠償責任保険は、施術所の建物やベッドなど施設の不具合が原因で患者にケガをさせた場合や、患者の所有物を施術所側の責任で破損した場合に支払われるものです。あくまで施術者側に責任があった時の賠償です。

全国統合医療協会 実際に問い合わせがあった事例
患者さんの服を灸でこがして穴が開いた
施術所のパーテーションんが倒れて患者さんがケガをした
患者さんの持ち物を破損してしまった

物損事故で一番多いのはメガネやアクセサリーの破損です。メガネが床に落ちた事に気付かず踏んでしまうということがよくあります。基本的に破損してしまったメガネやネックレスは修理に出すことになりますが、修理が困難な場合は同等のものを購入して補償します。日ごろから破損しやすいものなどは注意して保管するようにしましょう。

整骨院や鍼灸整骨院における賠償責任保険の補足

賠償責任保険はあくまで施術者に過失があった場合に、患者へ補償する保険ですので、ご自身の怪我や整骨院や鍼灸整骨院が窃盗にあったなどは保証の対象になりません。このような場合、任意の保険や火災保険などに加入する必要があります。

看板が落下した事による通行人のケガなども、その時の状況によって補償となる場合とならない場合に分かれます。

自然災害(台風や地震)などの自然災害で看板が落下して怪我をした場合、整骨院や鍼灸整骨院側に過失が認められないため、補償の対象外です。

自然災害等ではなく、看板の留め具が劣化て落下した場合は、整骨院、鍼灸整骨院側の管理責任ミスとして補償の対象になります。このように、看板などに係る事故は、状況によって補償対象になるか、保証対象外になるか分かれます。何かトラブルがあった時は、まず保険会社相談しましょう。

院内で置き引き被害があったりしたものは(傘や荷物など)補償の対象にはなりません。

あくまで施術者本人に過失があった場合に適用されるものです。とはいえトラブルは可能な限り減らしたいですね。対応策として患者さん用に荷物や靴用のロッカーを用意したり、貴重品の管理はご自身でお願いする旨の掲示などで対応しましょう。

全国統合医療協会で対応できる事

私たちは、柔道整復師・鍼灸師・按摩マッサージ師の医療過誤や施術に対するクレームについて専門の担当者が適切なアドバイスをします。

また、整骨院や鍼灸整骨院のトラブルに特化した弁護士のご案内も可能です。相談は無料です。(会員様限定)

私たちがご用意している賠償責任保険は、充実の保証をご用意しております。保険料もお得にご加入いただけます。

賠償責任保険加入案内だけでなく、年間保険料などについて詳しくはお問い合わせください

クレーマーの対応について

近年医療過誤と称して、悪質ないいがかりなどのケースで金銭を要求するクレーマーが一定数います。

患者さんからのクレームについて、初期対応は施術者が行わなければなりません。そこで、これらの対応として施術者がやってはいけないことをご案内します。

補償のことを聞かれても具体的なことは答えず、冷静に対応しましょう。因果関係がはっきりしないことも多いため「治療費は私が負担します」などといった約束はしないようにしましょう。

まずは「誠意をもって対応させていただきますので、ご安心ください」とお伝えし、金銭要求には安易に応じないようにしましょう。

患者さんより治療費や休業補償費等の補償を求められても、金銭の要求に応じないようにしてください。

患者さんより、体調が悪くなった等クレームの電話があり自宅に来るよう脅迫を受けた場合は、一人で患者さんに会わず私たち第三者に相談しましょう。

まとめ

整骨院や鍼灸整骨院の運営において、施術のトラブルを経験することもあります。これから整骨院や鍼灸整骨院を開業する方や、一人治療院で開業したものの、経営と施術者の業務をしながら、事務作業を一元管理する事は、安易な事ではありません。私たち全国統合医療協会は、開業のトータルサポートや、療養費の請求代行。返戻の再請求や早期入金等様々な事務代行が可能です。

お気軽にお問い合わせください。

お悩み一緒に解決しませんか?整骨院開業セミナー

 

この記事の監修者

user

中村 崇男

昭和44年東京生まれ。昭和63年都内整骨院を勤務し、東京柔道整復専門学校を卒業後、平成23年一般社団法人全国統合医療協会を設立。鍼灸師・柔道整復師の社会的地位と健康医療福祉の更なる向上を目標に幅広い分野で活動中。
一般社団法人全国統合医療協会理事長
公益財団法人明徳会清水ヶ丘病院理事長