【整骨院の経営】傷病により仕事を休む従業員を解雇できるのか?

23-02-16 経営

★弁護士監修

従業員が業務とは関係ない交通事故などで怪我をして働けなくなり仕事を休むケースはよくあります。その従業員の復帰のめどが立たないなど場合には、会社はその従業員をすぐに解雇できるのでしょうか?

まずは就業規則等、契約内容を確認してみましょう。
休職制度があるときは、その休職制度が適用されます。これを適用しないで解雇した場合には、その解雇は権利濫用として無効になる可能性があります。

では、休職制度を適用して休職期間が満了したけど、まだ傷病が治っていない場合には解雇してもいいのでしょうか?

この場合にも解雇には注意が必要です。
裁判例では、休職期間満了時に、その労働者が前の業務を支障なく行える状態にまでは回復していなくとも、①相当期間内に傷病が治癒することが見込まれ、かつ、②より軽易な業務が現に存在するときには、使用者は傷病が治癒するまでの間、労働者をその業務に配置すべき信義則上の義務を負うものとしています。
使用者がこのような配慮をせずに労働者を解雇しまたは退職とした場合には、その解雇や退職扱いは無効とされる可能性があります。

このように、使用者は、解雇や退職扱いについて、①従業員の傷病がいつ治癒するのか、②他に軽易な作業がないかなどを確認してから慎重に判断する必要があります。

しかし、適切な判断をするには、個別のケースを裁判例と比較するなどしながら判断する必要があり、専門的な知識が要求されます。

また、今回は、業務外の傷病によって休職した場合で、かつ、職場が休職制度を設けている場合を例にご説明しましたが、今回のケース以外にも、傷病が業務上生じた場合や休職制度が存在しない場合には異なる配慮が必要になります。

このように、傷病による休職の問題は内容が複雑です。こうしたトラブルに出くわしたときは、労働分野に精通する法律の専門家に相談されることをおすすめいたします。

 

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監修:工藤法律事務所
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